2011年2月7日月曜日

No.386 佐川光春「とうさんは、大丈夫」→ 2点

佐川 光春「とうさんは、大丈夫」→ 2点
発行元 :株式会社講談社
初版発行:2010/3/25
佐川 光春(サガワ ミツハル)

あらすじ

児童相談所の職員として絶望的に悪化する職場環境で奮闘を続けていた私は、
ある事件をきっかけに仕事へ出ることが出来なくなった。
病院で鬱病と診断され、しばらくの間故郷の北海道で静養した私は、何とか
小康状態を取り戻すことができた。
ようやく職場に復帰した私を待っていたのは、異常な雰囲気に包まれた児童
擁護ホームだった。

コメント

「なんだこりゃ!?」という感じの一冊。
「まじめにコツコツ頑張ればなんとか安泰にやっていける。」という方程式が
完全に瓦解した現代日本においては、マジメすぎるお父さんは狂うしかないの
だ!というのが主題であり結論のようにも思えるが、なんかちょっと違う気も
する。
意味が分かるようで分からない表紙といい、何とも難解な作品だった。
どこまでが本気でどこからギミックなのか、作者の本意が全く分からない。
誰か解説してくれ〜、という感じ。

但し、現代における児童虐待の問題については完全に北田と同意見だ。
悲惨な環境に置かれた老人には原則として何かしらの「自分の責任」という部
分があるが、不幸な環境にある子どもには一切責任と言うものがない。

将来性を含めて子どもは国の宝なのだから、子どもを育てる能力や意思がない
親からは国がじゃんじゃん引き取って育てれば良い。
財源なぞは手厚い老人の社会保障を削ればあっという間に捻出できる。

老人が長生きする国より、子どもがすくすく育つ国の方がナンボかマシだと思
うんだけど、現在の日本は全く逆の方向に進んでいると思う。
誰か大ナタふるって仕組みを変えてくれんですかね。


とうさんは、大丈夫

0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。