2010年12月7日火曜日

第337冊 乙川優三郎「生きる」

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  乱読! ドクショ突撃隊♪    第 337 冊
              
                       2010.12.7
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【1】読書感想 (第337冊)
  
乙川優三郎  「生きる」  文春文庫

直木賞受賞作「生きる」(96ページ)の他、中篇2編「安穏河原」
「早梅記」を収めた中篇集。
乙川氏の作品は数冊読んでいて、現在活躍している時代小説家の中では
大好きになった作家であり、本書は直木賞受賞作も含んだ作品集とあって
大いに期待して読んだのだが、これがいけなかったのか。
そもそも「生きる」というベタな題名が、自分には違和感があったという
か、予感がしたというか。

父の代で、浪人から召し上げられて扶持を貰い、自分の代で殿様の覚え
目出度く、石高はうなぎ上り。
自分の才覚で収入を増やしたわけではあるけれど、封建時代は殿様の意向
あって初めて、昇格昇進給料倍増となるわけだ。
それだけに、江戸時代初期は「追い腹」というのが頻繁で、ご厚情特に
篤かった者は、殉死することが多かった。

「生きる」の主人公は、この殉死をめぐって翻弄される話。
ただし、人物の精神が低い。
あくまで一般的な人間性を据えたかった、ごく普通の人間を主人公にして、
「生きる」ことの深淵を描きたかったんだろうが、江戸初期の武士がここ
まで軸がないかなぁ。
結局人間とはこういうものなんだからと、著者は書きたかったんだろうけ
ど、昔の時代小説家はもっと峻烈な心理描写を書いたはず。
こうまで腑抜けた心だったのかなぁ・・・と思ってしまう。

「安穏河原」は女郎に身売りした悲劇。
武士として理想を貫き通したばかりに浪人となり、世間知らずもはなはだ
しい挙句に食うに食わずの貧乏生活。
妻が長患いとなって薬代がどうのもならなくなったので、一人娘を女郎に
身売りさせてしまう。
ここから話のスタートなんだが、浪人となった理想論を唱えてきた父の
行動にイライラ。
結局、娘とはいえ我が身の方がかわいいんじゃないかと憤ってしまう。

「早梅記」もなんだかなぁ、という話。
武士として大出世を遂げた隠居爺さんが、今日も息子夫婦に気兼ねしなが
ら散歩に出かけるところから話は始まる。
しかし、その爺さん、若い頃は当時の武士としては当たり前だったのだろ
うが、一人の若い娘の人生を台無しにしてしまっている。
しかも、責任を取るつもりだったのに何やかやで取れなかったと言い訳し
ている始末。
所詮、自分より階級の低い者への考え方はそんなとこだったのです、と
著者はさらりと書いているが、現代人から見れば、もうここで許せない話
となってしまう。
結局そんな気持ちで読み続けるもんだから、主人公(爺さん)の心情には
まったく寄り添えず、勝手なことばかり言うな!という気持ちで話は終わ
った。

結局3編とも、イライラムカムカばかりしていた。
時代小説は、読書の合間の清涼水みたいに読んでいるのに、本書はまった
く駄目だった。

●名言セラピー【おべんとう】

名言セラピー


亡き父へ贈る 「ぼくとお父さんのおべんとうばこ」 ゆきのり君7歳の作文より。




おとうさんがびょうきでなくなってから三年、
ぼくは小学一年生になりました。


おとうさんにほうこくがあります。
きっとみてくれているとおもうけど、
ぼくはおとうさんのおべんとうばこをかりました。


ぼくは、きのうのことをおもいだすたびにむねがドキドキします。


ぼくのおべんとうばことはしがあたって、
すてきなおとがきこえました。

きのうのおべんとうは、とくべつでした。
まだ十じだというのに、おべんとうのことばかりかんがえてしまいました。


なぜきのうのおべんとうがとくべつかというと、
それはおとうさんのおべんとうばこをはじめてつかったからです。
おとうさんがいなくなって、ぼくはとてもさみしくてかなしかったです。


おとうさんのおしごとは、てんぷらやさんでした。

おとうさんのあげたてんぷらはせかい一おいしかったです。
ぼくがたべにいくと、いつもこっそり、ぼくだけにぼくの大すきなエビのてんぷらをたくさんあげてくれました。

そんなとき、ぼくはなんだかぼくだけがとくべつなきがしてとてもうれしかったです。
あれからたくさんたべて空手もがんばっているのでいままでつかっていたおべんとうばこではたりなくなってきました。


「大きいおべんとうにしてほしい」


とぼくがいうと、おかあさんがとだなのおくからおとうさんがいつもしごとのときにもっていっていた
おべんとうばこを出してきてくれました。


「ちょっとゆうくんには、大きすぎるけどたべれるかな」
といいました。


でもぼくはおとうさんのおべんとうばこをつかわせてもらうことになったのです。


そしてあさからまちにまったおべんとうのじかん。
ぼくはぜんぶたべることができました。

たべたらなんだかおとうさんみたいに、つよくてやさしい人になれたきがして、
おとうさんにあいたくなりました。
いまおもいだしてもドキドキするくらいうれしくておいしいとくべつなおべんとうでした。


もし、かみさまにおねがいができるなら、
もういちどおとうさんと、おかあさんと、ぼくといもうととみんなでくらしたいです。

でもおとうさんは、いつも空の上からぼくたちをみまもってくれています。


おとうさんがいなくて、さみしいけれど、
ぼくがかぞくの中で一人の男の子だから、
おとうさんのかわりに、おかあさんといもうとをまもっていきます。
おとうさんのおべんとうばこでしっかりごはんをたべて、もっともっとつよくて、やさしい男の子になります。


おとうさん、おべんとうばこをかしてくれてありがとうございます。


ゆきのり君7歳の作文より。


【出典】

本のご紹介です。DVD付ストレッチ大全

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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こんにちは!活字中毒のモモちゃんです。
義母は健康マニア。

昨年はバランスボール、一昨年は何やらチューブを引っ張って
いた。その前は金魚運動だったり、ダンベルを持ち上げてみた
り、とにかくその辺りには隙がない、余念がない。

しかし続いているものはどれ一つとしてなく、しかもその一つ
一つに凝った(?)言い訳があるのでそれなりに楽しんでいる。

バランスボールからは転げ落ちそうになった。ダンベルを足に
落としかけて危なかった。チューブは、とにかく面倒なのよ!

どれもこれも、グッズにではなく、義母自身に問題があるのを、
いつ指摘しようかと迷っている。できそうにはないけど。

まあ、義母の世代にとっちゃあ、健康も一つの娯楽なんだろう
なと割り切っている。娯楽ならいいのだ。どんどん消費すれば。


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本日は ◆さわやか、スポーツ系

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DVD付ストレッチ大全  有賀 誠司
¥ 1,418  成美堂出版 (2010/02)

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というわけで、世間話のついでに健康ネタを振ってみたら、この
本と「NHKストレッチ」が送られてきた。NHKストレッチというの
もDVD本で、お値段はけっこう張る。

しかし小金を持っている世代だし、とかく健康に使う金は惜しく
ないという風なので、ありがたく受け取ってどちらも一通り試し
てみた。

そんで、気に入ったのがこちらだ。道具を使わなくていい。寝転
んで、もしくは壁に手をついて、いすなど、使うストレッチが少
ないのが私にはうれしい。

DVDで先生のお手本を見ながらストレッチができる。ありがたいこ
とに左右両方、きっちりその時間運動をしてくれるので、声にあ
わせ、画面を見ながらストレスなく体を動かすことができる。

メニューもいろいろ。朝夕のストレッチ、部位別、悩み別(肩こ
り、腰痛など)、体幹を鍛える運動、有酸素運動、体全体のスト
レッチなど、好きなところから再生して使えるのがまた便利だ。

運動時間は10分程度、気負わずにできるところもまた素晴らしい。

本日は基本のストレッチ、全身を伸ばす運動を簡単にご紹介して
みたい。

お尻のストレッチ。仰向けに寝転んで片方の足を曲げ、腕で抱え
る。左右10秒ずつ。

横腹。寝転んで体をひねり、片方の足を、反対の足をまたいで向
こう側の床につける。膝を手で押さえ、わき腹を伸ばすように。

足の付け根。立って四つんばいのような格好に。そのまま足を前
後に開き、上半身を前に傾ける。後ろの足は伸ばしたまま、太も
もの前の筋肉にストレッチを感じる。

太ももの内側。お相撲さんがよくやる、股割りの要領で。

太ももの前。座って片膝を曲げ、状態を後ろへ倒す。気持ちのい
いところで止めること。

胸を開く。壁際に並行して立ち、片方の手を壁に当てて後ろに伸
ばす。腕の付け根のストレッチ。

背中の横、脇。壁に向かって立ち、両手を壁について背中を曲げ
る。体を九十度に曲げ、壁を押す感じ。

ひじから手首。手を前に伸ばし、手の平を外側に向ける。反対の
手で手の平を押さえ、腕の内側の筋肉を伸ばす。

肩甲骨の内側。両手の平を合わせた状態で、手を体の前に伸ばす。
首を内側に入れ、肩甲骨が伸びる感じを。

首の横、後ろ。首を横に曲げる。左に曲げる場合は右の手を、背
中の後ろで左手で引っ張ってやるとよりストレッチを感じること
ができる。

首の後ろ。仰向けに寝て首を抱え、頭を起こすような感じでスト
レッチ。


DVDのお手本では、先生が同じ動きをしてくださるので流れるよ
うについていくことができる。私程度ができるのだから、難易度
もそう高くはないと言ってもいい、と思う。

10分程度の動きだけど、やってみると案外気持ちがすっきりする
よ。肩こりのストレッチなどは、職場でもできそうなものがある。

ちなみに義母はやっていないそうなので、年末に帰ったら、これ
は太鼓判を押してあげなければと考えている。

くれた人に対して、太鼓判を押すというのも不思議で妙なものな
のだけど、これが現実なのだから仕方がない。おかしなものだ。

本日ご紹介の本はこちらから

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

すごいことをすごく見せるのではなく、

当り前のことをすごくこなせるようになりたい。

今日も一日味わいつくしましょう。