2011年1月13日木曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

最初だけは偽善でもよいと思う。

ひたむきに続ければ本当の善になる。

続けなければ。

今日も一日味わいつくしましょう。

本のご紹介です。日本映画空振り大三振

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介


本日は ◆世間話、時事ネタ系

日本映画空振り大三振  柳下 毅一郎 江戸木純 クマちゃん
¥ 1,575  洋泉社 (2010/6/2)

毒舌映画評論。昨年末に公開された「ゴースト」が入っていない
のが惜しい。(同年6月の発行だから、仕方ないんだけど)

柳下氏、江戸木氏はともに映画評論家。クマちゃんとは、謎の着
ぐるみ人物(?)なのだそうだけど、映画をよくご存知の方のよ
うだ。

お三方とも知識豊富な語りなので、面白いだけでなく、勉強にな
ることも多かった。

・釣りキチ三平

田舎で釣りばかりしている三平くんを、香椎由宇演じる姉が連れ
戻しにやってくる。しかし姉は釣りの面白さに目覚め……。

と、言ってみれば「釣りキチ由宇」というべき映画だった。自然
の光景も魚もすべてCG。原作の生き生きとした様子が伝わって
こない。

魚紳さんはトラウマを抱えた変態みたいだし、三平くんはやたら
と「キャッチ&リリース」を強調するし、エコやら何やら小細工
が多かった。

釣りの楽しみを描ききった原作の楽しさを、素直に表現するだけ
ではいけなかったのか?

・アマルフィ 女神の報酬

日本人の少女が誘拐されるサスペンス映画、のはず。

だが基本的には観光地ばかりをめぐる旅になっている。誘拐犯が
なぜか、なぜなのか、取引場所に観光地を指定してくるせいだ。

世界遺産の土地もあるので、当然アクションシーンは撮れず。
アマルフィの土地自体も、最後に空撮でちょろっと流されるだけ。

誘拐犯の目的もよくわからなくて、主演の織田裕二さんに諭され
てあっさりと犯行を中止してしまう。七年かけた計画なのに、
「殺して何になる?」と言われて「わかったよ」と納得。そんな
素直な犯罪者、いるか!

しかしよくわからんな。原作を読んだけれど、それなりに面白い
話だったと思う。原作者が脚本も書いたはずだったけど……。

と、思っているとこんなことが書かれていた。

「この映画には脚本家のクレジットがない。原作者が脚本も書い
たのだが、現地の撮影状況から原作どおりにいかなかったことも
あり、原作者が(名前を載せるのを)辞退した」

ぐだぐだですやん。

・剣岳 点の記

明治のお話だ。陸軍測量部と、山岳会の人間が競い合いながら剣
岳初登頂を目指すという物語。

映像がすごい。「CGを使わない」というのが監督の信念であっ
たので、雪山の迫力ある映像が楽しめる。また、物語も実に真面
目で、人が死んだり、滑落があったり、わざとらしい見せ場は作
られていない。

しかしそれがもったいないとも言える。映像ありき、物語の筋が
弱く感じられてしまう。

実はこの映画、高山が撮影現場であったため、誰も脚本を持って
来ていなかったのだそうだ。荷物を極限まで軽く。役者さんも、
監督さんも、誰一人脚本を見ずに撮影が進んだ。ドキュメンタ
リーと言うのがいっそ正しいかもしれない。

ただクライマックスの、登頂の場面がなかったのが残念。寒すぎ
て機材も凍ったか?


槍玉に上がる映画は全部で46本。GOEMON、ルーキーズ、蟹工船、
真夏のオリオン、いろいろ、たくさん。

昴。超酷評だったけど、かえって観たくなった映画だ。バレエ映
画であるらしいんだけど、それがストリップ・バレエという珍妙
なものなんだそうだ。

主人公が目隠しをして町を歩き、踊りの練習とする場面もある。
一昔前の少年漫画みたいな特訓が行われるとのことだ。すごいな
あ。いい大人が真面目にそんな映像を撮っているなんて。

本も映画も、ご興味のある方はぜひ。

日本映画空振り大三振 ~くたばれ!ROOKIES (映画秘宝COLLECTION 41)