2011年1月10日月曜日

第344冊 下田治美「愛を乞うひと」

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  乱読! ドクショ突撃隊♪    第 344 冊
              
                       2011.1.10
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【1】読書感想 (第344冊)
  
下田治美  「愛を乞うひと」  角川文庫

幼児期、主人公が母から凄惨な折檻を何度も受ける描写が激しすぎて、
衝撃を持って受け留められた作品。

この作品を読んで考えるに、二つの見方がある。
著者自身の実体験を赤裸々に描いたものなのか、純粋に創作なのかだ。
相当リアルな描写が理不尽なほど続き、その細かい描写は想像力を超え
た迫真性がある。

現実にあった話って意外と「?」となる行動や展開が多く、もっと感動
作品に仕上げる事も出来ただろうに、敢えて突き放したような動きに
なっているのはこのためじゃないだろうか。
本作での結末はどちらにも受け留められるような、母と娘の関係がどう
なったか、否、どうにもならなかったような、幾通りにも想像できる
不思議な結末。

いずれにせよ、強烈な印象が残る力作だと感じた。



下田治美「愛を乞うひと」

No.382 熊谷達也「いつかX橋で」→ 3点

熊谷 達也「いつかX橋で」→ 3点
発行元 :株式会社新潮社
初版発行:2008/11/20
熊谷 達也(クマガイ タツヤ)

あらすじ

太平洋戦争末期。
仙台大空襲で家も親兄弟も失った裕輔は、特攻隊帰りの彰太と出会い、
「いつか仙台駅前のX橋に大きな虹を掛けよう」と誓い合う。

生きるための毎日はつらいことも多かったが、親切な「徳さん」と出会っ
たことによって少しずつ生活の基盤を確かなものにすることができた。
しかしある日・・。
戦後の混乱期に、無一文から逞しく生き抜く若者たちの群像を描く。

コメント

血迷うたか熊谷達也!と言いたくなるほどのバッドエンド。
登場人物の誰もが素敵で、散々っぱら共感と感情移入をさせておいて、
最後に奈落へ突き落とされた。

熊谷氏が優れた作家であることは疑いないが、本作の「第5章」だけは
断じて許せない。
私が独裁者だったら強権を発動して書き直しを要求するところだ。
丁寧に作られたケーキを足元に叩きつけるような、精魂込めて描かれた
絵画にペンキをぶっ掛けるような実も蓋もない結末で、読後感は最悪
だった。

現実が厳しいのはよく分かっているが、だからこそ小説の世界では美し
い結末を求めたかった。
熊谷氏は何が言いたくてこの小説を書いたのだろうか。
ひょっとすると、第4章を書き終えたところでヨメに逃げられたとか人
に騙されたとか、熊谷氏がウツ状態になるような何かが起こったのかな、
とすら考えてしまう。

途中までは非常に気持ちよく読み進められただけに残念無念だった。
小説のレベルとしてはもっと上だが、そういうことで怒りの3点。

熊谷 達也「いつかX橋で」




0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

現状に、

心からめいっぱい満足しよう。


今日も一日味わいつくしましょう。