2010年12月14日火曜日

本のご紹介です。わたくしが旅から学んだこと

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆世間話、時事ネタ系

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わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中
ですのよ!  兼高 かおる
¥ 1,575  小学館 (2010/9/1)

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世界中を旅してきた兼高かおるさんが、ご自身の人生についてつ
づったエッセイ。

旅のことももちろんだけど、ご自分の老いをしっかりと見つめて
おられる姿には感動した。飾りのない、うそ偽りのない文章を書
かれる方なんだよね。非常に冷静で、ごく自然に受け止めておら
れる。毅然、という言葉がぴったりのエッセイだった。

兼高さんのお母様は明治のお生まれ。しっかりした働き者で、昼
のうちから夕飯の下ごしらえをしていたのだという。品数は多く、
家族にたくさん食べさせるために、お母様は食事の間も台所と食
卓を一人往復しておいでだった。

このことが兼高さんを結婚から遠ざける一因となった。仕事をし
て、家事まで完璧にこなす自信がない。今のカップルを見ている
と、早く生まれすぎたのかなと思うこともあった。

お母様は自由な考え方をする方だった。兼高さんは学校では問題
児だったが、お母様はまるでそのことを気になさらなかった。勉
強をさぼって本を読んでいても、叱られることは一切なかった。

戦後、兼高さんはアメリカに留学する。ここでは体重が激減する
くらい、必死に勉強した。先生のサポートもあって、アメリカで
勉強することはとても楽しかったようだ。

だが病を得て帰国。このことを、兼高さんはちっとも悔やんでは
いない。兼高さんは人生を「運次第」だと考えている節がある。

運任せというのとはもちろん違う。だが人には与えられる運やめ
ぐり合いのようなものがあって、それを活かしていくことが大切
だと考えている。人にはそれぞれの道がある。よいも悪いもなく、
人生とはそういうものだと悟りに似た感覚を持っている。

英語ができるので、インタビューの仕事が舞いこみ、やがて外国
を取材する番組の依頼が舞いこんだ。「兼高かおる世界の旅」の
前身だ。

かつてなかった類の番組で、手本にするものがないのが幸いだっ
た。自由に、思いのまま番組を作ることに決めた。

車の中で、兼高さんの指定席は助手席。窓から外を眺めながら、
目に付いたものをかたっぱしから取材することにした。「兼高さ
んが通った後にはなにも残っていない」と、言われたこともある
ほど。

珍しいもの、変わったもの、世界の風景を視聴者に届けようと必
死だった。市場に行き、有名な人に会い、外国の光景をテレビで
伝えようとした。着物を着、真珠を身に着けラジオを持って、日
本の産業をアピールするつもりでも歩いた。

兼高さんは、仕事と結婚したようなものだ。兼高さんのだんなさ
まは、「兼高かおる世界の旅」。もてる力の9割を、番組に注いだ
ものだった。

やめた今でも、旅は続けている。一人でふらりとミュージアムに
出かけたり、日本の名所をめぐったりしている。

日本は素晴らしい国だと思う。世界を見てきて、日本ほど自然が
豊かで、恵まれた国は珍しいのだと実感している。日本のよさも、
多くの人に知っていてもらいたい。

若い頃との違いも最近は感じ始めている。一緒に世界を回った仲
間が、一人一人世を去っていくと、思い出話ができなくなる寂し
さを感じる。

だから若い人とも付き合うようにしている。世代が違うと話も違
い、これはこれで楽しい。

若い頃のことで悔やまれることの一つは、ずっとノーメイクでい
たこと。大きなシミができて困っている。指先の動作にも遅れが
見られ、老いてきたことを実感している。

一度夜中に体調が悪くなって、入院する羽目となった。そのとき、
携帯電話を枕元に置いていなかったことをひどく悔やんだ。また、
母がしていたように、衣類や下着の整理がついていなかったこと
も後悔の種となった。

またいつか、そのときのために、入院に必要なものはしっかり整
えてある。いざというときのために備えることは、決して後ろ向
きなことではない。


旅に持っていく荷物が、紹介されていたのが面白かった。兼高さ
んはゴムでできたベルトを必ず身に着けていたのだそうだ。

メモをしたノートをベルトにはさむため。ノートを一度、置き忘
れたことがあったため、体から離さない工夫をしたのだ。何より
大切なものだから。

字、大きめ。言葉がとてもきれいなので、読んでいて背筋が伸び
る思いだった。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!

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双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

深く考えるということは、

ひとつのことに囚われることとは異なる。

今日も一日味わいつくしましょう。