2011年2月14日月曜日

第353冊 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」

乱読! ドクショ突撃隊♪    第 353 冊

【1】読書感想 (第353冊)
  
鯨統一郎  「邪馬台国はどこですか?」  創元推理文庫

著者の「新・世界の七不思議」が世界史編だとすれば、本書は日本史編。
歴史をそこそこ愛好している中間層にとっては、驚く異端異説ばかりで、
ただただ驚き面白可笑しく読んでしまう。
歴史学的にどうなのかは考察さへ出来ないが、知的興奮は存分に堪能でき
ます。
世界史編ほど語り部たちの小芝居もうざくなく、歴史そのもののミステリ
が味わえます。本書日本史編は全6編。

悟りを開いたのはいつですか?
邪馬台国はどこですか?
聖徳太子はだれですか?
謀反の動機はなんですか?
維新が起きたのはなぜですか?
奇蹟はどのようになされたのですか?

日本史編と書きましたが、ご想像のとおり「悟り」は仏陀、「奇蹟」はキ
リストです。
仏陀の苦悩にせよ、キリストの行動解明にせよ、ここまで書いていいんか
い?と思うくらいですが、こんな風に解き明かしてゆく作品を読んだこと
自体が初めてなので、ただただ驚きました。

「謀反の動機」は本能寺の変についてですが、まさか秀吉謀殺説じゃない
だろな・・・と思ったのが恥ずかしくなるような新説。
信長と天皇の経緯は知っていましたが、その心情を想像し組み立て、その
結果の行動をどう結びつけるかで、こうも考えつくとは実に面白い。

日本史編として日本の事だけに集中してくれた方が面白かったのに・・・
と言いたかったが、「仏陀」と「キリスト」考察が余りに興味深いので、
本書は「新・世界の七不思議」以上に良く出来た傑作だと思います。
もうこれ以上のネタは望むべくも無いけど、第3弾がいつか出てこないだ
ろうか。



邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)

こんな本読んだよ!1102140243

チア男子!! 朝井リョウ 集英社

大学の柔道部で汗を流す陽希。柔道一家に育ち、姉と共に小さい頃から柔道に打ち込んできた。しかしそんな生活に疑問を持ち始め、柔道から離れる決意をする。同じく柔道部を辞めた親友の一馬と一緒に男子だけのチアリーディングチームを結成する。寄せ集めのメンバー7人で学園祭の初舞台を経験。その後真メンバーとコーチを加え全国大会を目指す。
汗くさくない爽やかなスポーツ青春小説です。


チア男子!! 朝井リョウ 集英社

No.387 伊藤たかみ「海峡の南」→ 2.5点

伊藤 たかみ「海峡の南」→ 2.5点
発行元 :株式会社文藝春秋
初版発行:2009/9/15
伊藤 たかみ(イトウ タカミ)

あらすじ

かつて北海道の暮らしを捨て、津軽海峡を南に下った父は、様々な勝負に
対して最終的にはすべて失敗した。
ぼくもそのとばっちりを受けて色々な街をを転々とするはめになったが、
それでも父は僕を大人にまで育ててはくれた。

祖父が危篤だということで北海道に駆けつけたぼくは、その町で父のルー
ツに思いを馳せる。

コメント

梁石日の「血と骨」にちょっと似てるな。こっちの方が圧倒的に地味だけ
ど・・と言う感じの一冊。

男の人生における5大テーマとして「父親」「旅」「女」「仕事」「死」
があるよなと勝手に思っているが、本作は「父と子」を伊藤氏独特の繊細
なタッチで描いている。

ただ、ストーリーも文体もあまりに地味すぎて、読んでいてしばしば眠た
くなった。
読者を選ぶだろうなと思わせる作品。
父親というものは、立派であればあったで、ダメ男であればあったで息子
にとっては「あ〜やだやだ」と思わせる存在なのだが、自分自身が息子を
持ち、父親になってみると「なるほど、あの時の親父の気持ちはこんな感
じだったのかな」と思う瞬間もある。

しかし、だからといって自分の息子とこれから良い関係を積み上げていく
ことができるかどうかは全く自信がない。

父と息子って、ホント独特の関係だよな。
しみじみそんなことを感じた一冊。

海峡の南



0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

「前向き」や「幸せ」といった言葉に

固執すればするほど苦しくなる。


固執しない。

今日も一日味わいつくしましょう。

本のご紹介です。戦う!和風武器イラストポーズ集

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆たまには教養系


戦う!和風武器イラストポーズ集  両角 潤香、みずな ともみ
¥ 1,575  マール社 (2010/12)


時代小説を書く人はエライと、心から感心して、自分も学びたい
と思った。そして手に取った本がこれだ。

アホ、アホ、アホの三乗!(意味不明)豆腐の角に全速力で頭ぶ
つけに行きたい、恥ずかしさがてんこ盛りだ。

刀を頭上に構えた女の子の絵が表紙。紫の髪にピンクの着物。短
いその裾からは、制服のスカートが透けて見えている。ライトノ
ベルの挿絵になりそうな絵柄だ。漫画やイラストを描く人のため
の技法書、指南書である。

しかし、マール社だ。この会社は「中世ヨーロッパの服装」や
「ポーズカタログ」、「やさしい人物画」などの、美術関連のベ
ストセラーを出版しているすごい出版社なんだ。

作りはしっかりとしている。人の体の動き、和の衣装のしくみ、
武器の持ち方扱い方、絵を描くときに必要なポイントが、実に真
面目に解説されていた。

たとえば日本刀。一口に言っても、時代ごとに使われる刀は異
なっている。室町前期の頃までは、太刀と呼ばれる長めの刀が一
般的だった。そりが大きいため、下緒という紐で腰にくくりつけ
て持ち運びがされる。

室町後期から幕末にかけては打刀が使われた。全長約95センチ。
まっすぐなので抜刀がしやすい。江戸時代にはこれにあわせて脇
指が持たれた。

大小二本の刀を下げる。このとき、袴の紐に通すと考える人が多
ようだ。だが実際には着物と角帯の間。袴の脇の切れ目から、鞘
が出るように描こう。

参考になるポーズ集がある。鞘つきのポーズ、抜刀の場面、静止、
動きのある構え。多様なので、参考になるポーズも見つけやすい
はず。

また、弓も忘れてはいけない。歩兵が使う武器であり、奇襲戦法
などに用いられた。飛距離は50から150メートル。銃にとって代わ
られるまで、主要な武器として活躍した。

和弓は大きい。矢は口の高さで構える。このとき、肘と弓が一直
線になるように。よく、矢を指ではさむように描く人がいるが、
これは間違い。弓を握った親指の上に矢を乗せるように構える。

矢は背中の矢筒に背負う。体の前に紐を通して、矢筒を背中にく
くりつけるわけだが、このとき、紐と矢筒の方向は同一。右手で
上から取り出すので、矢羽根が右肩から見えるように描くこと。

ポーズ、下向きの構えがあるのが面白かった。地面の敵にとどめ
をさすときにも、矢が使われていたからだ。構え、射る瞬間、そ
の軌跡を眺める姿勢、ポーズもいろいろ。

槍、なぎなた、手裏剣、クナイ(くさびのような武器。小刀とし
て、投擲用に、用いられ方は様々)鎖鎌、トンファ、鉄扇など。

銃と刀の二刀流が格好よかった。地面に立てた刀のつばに、銃を
乗せて安定させ、発砲するという使い方もあるそうだ。

両手で武器を扱うという華やかさがうけて、フィクションなどで
よく用いられる。銃口で相手を狙い、背後を刀で守るなど、隙の
ない構えが可能。

新旧が入り乱れた、幕末の混乱期にふさわしい派手なアクション
と言えるだろう。


時代劇ファンの方、和風ファンタジーに興味のある方向け。

戦う!和風武器イラストポーズ集

第352冊 池上彰「そうだったのか!アメリカ」

乱読! ドクショ突撃隊♪    第 352 冊

【1】読書感想 (第352冊)
  
池上彰  「そうだったのか!アメリカ」  集英社文庫

TVで大人気になった池上彰。
文庫本でも彼の本がズラリと並んでいるので、一冊読んでみました。
ほんとは「そうだったのか!中国」を読みたかったんだけど、アメリカから
おさらいした方が勉強になるかなと思った次第。

丁寧すぎる文体で、分かりやすく書かれているゆえ、かえって頭に入って
こない。
読みやすいので文章をズンズン読み進んでいくのだけど、しっかり理解して
進んではいない。
なんとなく分かったような気はするし、章の最後で「まとめ」まであるので
要点は抑えられるが、細かいところは記憶に残っていない。

私自身の好みとしては、もう少し硬い文体の方が好きです。
本をあまり読まない人、ほんとにアメリカについて基礎から知りたい人に
とっては良いかも。
ヘタに所々知ってると端折ってしまって、初心に帰ってじっくり読む人の
方が身につくのかもしれない。
さすが頭の良い人が書いただけあって、章立てはなかなか。

第1章:アメリカは宗教国家だ
第2章:アメリカは連合国家だ
第3章:アメリカは「帝国主義」国家だ
第4章:アメリカは「銃を持つ自由の国」だ
第5章:裁判から見えるアメリカ
第6章:アメリカは「移民の国」だ
第7章:アメリカは差別と戦ってきた
第8章:アメリカは世界経済を支配してきた
第9章:アメリカはメディアの大国だ
オバマ以降のアメリカ

アメリカの出発点から始まって、開拓や独立、戦争や差別など歴史をなぞ
りつつ諸問題をテーマに据えて章立てしていく。
知らない事もたくさん読めたので、一読するのは悪くなかった。


そうだったのか!アメリカ