2010年11月30日火曜日

本のご紹介です。野宿入門

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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こんにちは!活字中毒のモモちゃんです。
アルプスの少女ハイジが、絶対的な憧れだったんだ。

干草のベッド。あれも夢だったなあ。刈り入れの済んだ田んぼ
の藁に寝ようとして、どえらい勢いで叱られたことがある。
せっかく片付けたものを散らかすなということだった。

草の上に寝転んで、服をシミだらけにして戻り、これもひどく
怒鳴られたこともああった。

現実の厳しさを、幼いながらに知らされた瞬間だ。こうして人
はテレビの世界と現実の違いを知っていくのだと思った。

そういえば校庭のブランコで、ハイジを真似て180度水平にこ
ぐことを試した友達もいたな。

その子は叱られる前に、怖くなって泣きながら下りてきたけど。


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本日は ◆世間話、時事ネタ系

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野宿入門  かとうちあき
¥ 1,050  草思社 (2010/9/23)

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世界は広い。世の中にはいろんな人がいると、つくづく実感させ
られた本だった。

著者のかとうさんは野宿をこよなく愛している。難しいことでは
ない。ふらりと寝袋を持って、ときには段ボールにもぐって、外
で眠ることを自由自在に行っている。

そもそもかとうさんが野宿をしたいと思い立ったのは高校生のと
きだ。その頃彼女には「野宿=青春、今しかできないことであり、
やってみるしか仕方がないのではないか」という、焦れるような
思いがあったのだそうだ。

で、やってみた。意外と簡単だった。以後野宿の楽しさにはまり、
社会人となった今でも寝袋を片手に旅に出ることを続けている。

かとうさんは考えている。「寝袋の所有は大人のしるし」

寝袋は大いに役に立つものだ。友達が不意に訪ねてきたときにも、
予備の布団として使うことができる。それにいつなんどき、外で
眠る用が生まれるやもしれぬ。

寝袋があればあわてずに済む。緊急時の備えなのだから、社会人
になった証として、初任給で手に入れるくらいの心がまえがあっ
てもよいのではないか。

しかし、だ。寝袋がなくとも野宿はできるのだ。

先にも述べたが、かとうさんは野宿が特別なことだとは考えてい
ない。終電を逃したとき、酔っ払ってうちに帰るのがおっくうな
とき、外でごろんと寝てしまえばそれで野宿は成立してしまう。

大げさな準備をする必要はない。

都会ならしたくは簡単に整えることができる。新聞紙を拾って敷
いて、そこで寝転べばそれでよい。ぐしゃっと丸めて服の中につ
めると意外とこれが暖かい。

段ボールをコンビニでもらうのも一つの手だ。なるべく大きなも
のをもらい、いくつか連結させると立派な寝床になる。もぐりこ
んで入り口を閉じれば安心して眠ることができる。

かとうさんは一度、知り合った男性とこの段ボール野宿をしたこ
とがあるのだそうだ。終電を逃してなんとなく段ボールに寝転び、
すると不思議な親しみが彼との間に生まれてしまった。野宿は恋
のはじまりになることもある。

野宿は簡単。だが眠りやすい場所を選ぶのも大切なことである。

できればトイレは確保しておきたい。公園や駅、用を足したいと
きにトイレがそばにある場所を選びたいものだ。最近の野宿愛好
家たちは、道の駅などもよく利用しているようだ。

(ちなみにトイレの中で眠るのも一つの選択肢であるのだそうだ
が、なかなか大変そうに思える。しかし、鍵がかかる安心感は格
別なものだあるのだとか。いずれにせよワイルドやわあ)

警察の職務質問にあうこともある。そこは一つ、余裕と、堂々と
した態度で乗り切りたいものだ。おまわりさんも人の子。話せば
わかってくれると信じよう。

野宿の旅は不思議な人との出会いを呼び寄せることがある。駅で
眠っていた著者に、つらつらと己の境遇を語った男性がある。四
国のお遍路さんの道で、見ず知らずの若い男性を弟子と連れて歩
くオジサンにも会った。

ちなみにこのオジサンには、寝袋にブルーシートを巻くワザを伝
授してもらった。これを巻くと、暖かさが逃げずに朝までぐっす
り眠れるのだそうだ。


入門とあるがハウツー本ではない。だが考えてみれば、確かに野
宿は難しいことはない。ハウツーなんかいらんと、著者は考えて
いるのだろう。常識を飛び越えるはずみとか、そういうものを与
えてくれる本だった。

とはいえ、真似はできないかなあとも思うよ。思いながらも、な
んとなく妙な開放感や自由ってものを味わうことができた。

こういう気持ちになれるから、本ってありがたいんだよなあ。か
とうさんの体験に便乗させてもらって、ちょっぴりどきどき、冒
険気分を味わえた。楽しかった。


本日ご紹介の本はこちらから

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双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

教えることが最大の学びである。


今日も一日味わいつくしましょう。