2011年2月13日日曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

昨日の自分とばかり競争していたら、

他人と競争するのを忘れてた。


愉しむことに集中していたら、

自分と競争することも忘れてた。

今日も一日味わいつくしましょう。

週刊 お奨め本 第433号『体のいいなり』

週刊 お奨め本
2011年2月13日発行 第433号

『身体のいいなり』 内澤旬子
¥1,300+税 朝日新聞出版 2010/12/30発行



先週に引き続いて、病気ネタ。
闘病記…というよりは、内澤旬子の病気エッセイって感じかな。

内澤旬子は、2007年6月10日発行の本メルマガ第241号『世界屠畜紀行』の著
者です。『世界屠畜紀行』といい、『東京見便録』『東方見便録』(内澤がイ
ラスト担当)といい、現地取材重視の突撃タイプっぽいので、てっきり健康が
自慢、という人かと思ってました。
ところが。


> 生まれてからずっと、自分が百パーセント元気で健康だと思えたためしが
> なかった。
> 胃酸過多、腰痛、アトピー性皮膚炎、ナゾの微熱、冷え性、むくみ、無排
> 卵性月経など、「病気といえない病気」の不快感にずっとつきまとわれて
> 来た。(5頁)


そのうえ、38歳にして乳癌の宣告。
数々の持病(病気といえない病気とはいえ)のうえに、キング・オブ・病気の癌。
さぞや悲愴感あふれた壮絶な闘病記が…! と思いきや。


> それが不思議なことに癌の治療中からすこしずつ元気になり、今ではギリギリ
> とはいえ、どこも痛くも痒くもなく、夜は熟睡、朝の目覚めはすっきり、買物
> にだって気軽に出かけられるという、健康な普通の人には当たり前のことだが、
> 自分にとっては信じられない、夢のような日々を送ることができるようになった。
(5頁)


癌で元気になった!?
いや、元気の理由はもちろん癌じゃありません。
オチを言ってしまえば、癌治療の副作用があまりにひどくて、藁をもつかむ思い
で始めたヨガで、体質改善されたようなのだ。
しかしそもそも癌にならなければ、ヨガも始めなかった。
すべてはつながっている。


それにしても内澤旬子、あきれるほどの病弱ぶりです。
特に、腰痛とアトピー。
なのに海外を歩き回り安宿に泊まる。
腰にコルセットを巻き、重いリュックを背負い、安宿のベッドは腰に悪いからと
床に寝る。口紅を塗れば唇の皮が一枚?ける。合わないシャンプーを使ったとき
は涙が止まらなくなり、かゆみに耐えかねて寝ているあいだに掻いた目頭がパッ
クリ裂ける。
…悲惨。


というような持病の歴史と、癌に罹患して入院手術の体験、さらに手術後の現状
の報告記。
その間、繰り返し、おカネの問題が出てくる。


おカネ!
これは問題だ。
最近でこそ「癌になったらいくらかかるか」といったような書籍も目に付くよう
になったけれど、ひと昔前までは金銭問題は避けて通られていた気がする。
だいたい十万円以上の金額がかかるものに事前の見積もりもなにも無しで、問答
無用で払わせるってのは、考えてみたらすごいことだよな。

で、内澤旬子はなにかにつけ、カネに苦しむ。
リアルだ。
人間、生きていくにはカネがかかる。
病気になったらさらにかかる。しかも病気で働けなくなったりしたらおおごとだ。
発行人、生命保険見直そうかなと真剣に考えてます。

内澤の人生観、女性性との向き合い方等、他にもいろいろ読みどころいっぱい。
特に乳房に対する女性と男性のあまりの感覚の違いにはびっくり。この辺はでき
れば皆さんの感想を聞きたいところだ。

身体のいいなり』 内澤旬子