2011年1月12日水曜日

本のご紹介です。みんなでニホンGO!

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介


本日は ◆世間話、時事ネタ系



正しい日本語は本当に"正しい"の? みんなでニホンGO!
オフィシャルブック
¥ 1,365   祥伝社 (2010/7/27)
NHK「みんなでニホンGO!」制作班著



NHKのテレビ番組をそのまま本にしたものらしい。アマゾンのレ
ビューでは、そのことに関しての苦言が呈されているが、見てい
ない私にとってはとても面白い内容のものだった。

取り上げられていた言葉遣いが、私自身、気になっていたものば
かりだったからだ。

別に目くじら立ててどうのこうのと言うつもりはないが、なんと
なく違和感を感じる言葉遣い。そんなものが多かったので、例の
ごとくへえへえふうんとうなずきながら読み進めることができた。

言葉遣いの変化=悪という考え方はされていない。言葉は移り変
わるものという前提で、その経緯を理解し、新しいものも受け入
れましょうというスタンスだった。好感触。

面白いネタがたくさんあった。

「人」は実は、人間が横を向いた姿をかたどった象形文字である。
支え合って人というのは間違いだった。〜っしょ、というのは北
海道弁。うざったいとはもともと八王子近辺の方言であったのだ
が、大学が郊外に移転するに従って、若者に話されるようになっ
た、などなど。

では、私が選ぶ「気になる大賞」を、本書解説の中から選んでご
紹介してみたいと思います。ちなみに「大賞」は二つあるのです
が、その辺は曖昧に笑ってごまかすつもりです。ご理解ください。

・させていただく。

最近では「やらさせていただく」「名乗らさせていただく」など、
余分なところに「さ」を入れて話す人が増えた。
(本来は「やらせていただく」「名乗らせていただく」)

過剰矯正と言われるものだ。緊張のあまり、丁寧に喋ろうと力む
あまりに、文法を超えた表現になっている。

しかしこの言葉を使う政治家が増えている。国会会議録検索シス
テムという、国会議員の発言を記録したデータベースで調べると、
90年以降この「さ入れ」言葉が急増しているとわかる。

政治家の言葉は社会の変化を表す鏡。今後はこの「さ入れ」言葉
が常識になると考えられる。

ちなみにこの「させていただく」は、近江商人が使い始めた言葉
だ。他人に感謝し、おかげさまの精神を表す商人言葉だった。

・ヤバイ

江戸時代にできた「ヤバ」という言葉が語源になっている。牢屋
のこと。危ないという意味で、使う人はごく少数だった。

しかし近年、ヤバイはプラスの意味で使われている。このラーメ
ン、ヤバイ、と言えば、若者はそれがおいしい、うまいと受け取
るはずだ。

マイナスからプラスへ。「ヤバイ」は進化、成長する語である。

似たような例は各国に見られる。スペイン、モンストロとは化物
の意味であった。だが最近ではフラメンコがうまい人、ギターを
弾くのが上手な人がこう称される。

韓国ではチョギンダ。もともとは殺すという意味だったが、殺人
的においしい、楽しい、という意味に。

古くは英語のナイスもそうで、ナイスの語源はラテン語のネスキ
ウスだった。愚かという意味である。それが変化し、今ではよい
意味合いでしか使われることがない。

こう見ていくと、人の考えなんて似たり寄ったりで、面白いと思
うな。


テレビの内容を、本当にそのまま本にしたものらしい。出演者の
船越栄一郎さん、山崎弘也さん、松本あゆ美さんらのトークが楽
しく文字に起こされている。気楽に読めることうけあい。

以前読んだ「日本人の知らない日本語」でも、言葉は変化するも
のだと書かれていた。

「前向きに」理解して、受け入れていきたいな。

正しい日本語は本当に“正しい”の? みんなでニホンGO!オフィシャルブック