2011年2月20日日曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

状況環境なんて一切関係なく、

今、この瞬間に、幸福だと思う。

否、思い込む。


今日も一日味わいつくしましょう。

週刊 お奨め本 第434号『人類にとって重要な生きもの ミミズの話』

週刊 お奨め本
2011年2月20日発行 第434号

『人類にとって重要な生きもの ミミズの話』 エイミィ・ステュワート


今日のオススメ本は、『人類にとって重要な生きもの』。と、副題をまるでメイン
タイトルのように持ってきてみましたが(笑)、ずばり、『ミミズの話』です。
表紙にでっかくミミズの写真が載ってますので、ご注意ください。
このメルマガで興味を持ってamazonまで見に行くような人なら、写真くらいで
ひるみはしないと思いますが…。

金輪際興味なんかありません、名前を聞くのもいや、文字を読むのもいや、という
方、来週はもっと耳当たりのいい本をご紹介できると思いますので、今日のところ
はご勘弁ください。来週またお会いしましょう。

実際のところ、私もそのクチです。
決して好きではありません。
雨上がりに歩道に迷いだしてきているミミズを目撃なんかしちゃったら、悲鳴を
上げて飛びすさります。
だって気持ち悪いじゃないですか、ぬめぬめしてて、にゅにゅる動いて、うにょ
うにょしてんですよ、奴等は! 高等哺乳動物たる人類が親しく感じられる生物
じゃないですよ!

ではあるけれど、理性で考えるならたいへん有益な動物であることはご存知の通り。


> ミミズは土壌の組成を変え、水分の吸収・保持能力を高め、栄養分や微生物を
> 増やす。つまり、農耕に適した土地を用意してくれるのである。(25頁)


ミミズがたくさんいる土地は豊かな土地。

もっとも、どんなことにも例外はあって、第六章ではミミズによる被害もレポー
トされている。
現在、北米大陸に生息するミミズの多くは在来種ではなく、移民と共に渡ってき
たものだという。鉢植えの土や、苗木の根土や、荷馬車の車輪についた土や、船
のバラストなどと共に。
それらが合衆国の農地にとって役立つ存在でもあったのは間違いないだろうが、
森林に対しては問題を引き起こしてもいる。
森の下層植生を、ミミズが変えてしまっているのだ。ミミズが落ち葉を食べてし
まうために、シダや山野草が発芽できなくなっていた。


ミミズはそれらの地では悪者なのだけど、そもそもミミズ自身の移動距離は年に
数メートル。人間が森にミミズを持ち込まなければ、森を守る時間は充分にある。
ていうか、今起きている問題は、森にミミズをもち込む人がいるから起きたって
ことだ。湖に来た釣り人が、残った餌をその辺に捨てていくような。


ミミズは正しく付き合えば、人類にとってたいへん有益な友人になる。

そんなミミズに魅せられたひとりが、かのチャールズ・ダーウィンで、晩年の
ダーウィンはミミズ研究に没頭した。
著者のエイミィ・ステュワートはミミズコンポストを使っていて、本書ではそこ
で飼っているミミズと、ダーウィンのミミズ研究を併行して紹介している。

ミミズ研究はまだまだわからないことばかり。
土の中は謎がいっぱい。
わからないことって魅力的。
気持ち悪くて魅力的で役に立つけど困りもの。そんなミミズの生態に、ちょっと
だけ近づいてみませんか?


人類にとって重要な生きもの ミミズの話

こんな本読んだよ!1102190245

全盲先生 泣いて笑っていっぱい生きる 新井淑則 マガジンハウス

新井淑則さんは埼玉県の長瀞町立長瀞中学校で国語を教えています。全盲です。
新井先生は網膜剥離により視力を失いました。35歳の時でした。仕事ができなくなり荒れた生活になってしまいました。壁にパンチをし、穴を開けたり、奥さんとは喧嘩の毎日。しかし、リハビリを続け養護学校の教員として復職。盲学校を経て、ついに普通中学校の教壇帰ってくることができました。
新井先生の復職の影には多くの人の善意の協力がありました。そして何より本人の努力と忍耐力がすばらしかったのでしょう。
復職について不安ばかりでしたが、それが少しだけ和らいだ気がします。



全盲先生、泣いて笑っていっぱい生きる

2011年2月19日土曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

お金が目的だと空しくなり、

お金を否定すると悲しくなる。

今日も一日味わいつくしましょう。

2011年2月18日金曜日

本のご紹介です。佐藤琢磨終わらない夢

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆さわやか、スポーツ系


佐藤琢磨終わらない夢─F1との決別、もうひとつの戦場ヘ  
松本 浩明  ¥ 1,500  三栄書房 (2010/11/30)


佐藤琢磨。この人に対する私の印象は「うさんくさい笑顔の人」
というものだ。

好青年である。アスリートらしい鍛えた体。さわやかな口元。発
言はいつも前向きで、ファンを思いやるものばかりだ。

だが目が笑っていない。笑う形をしていても、いつもどこか、チ
ンピラみたいな凄みが残されている。ああ俺、いつでもやる気な
んだぜかかってこいよ、ボッコボコにしてやんよ。そう言ってい
るように見えて仕方がない。ファイターの目なんだよ、こええ。

世の中には、才能だけではあがっていけない場所がたくさんある
と思う。運も必要だ。そしてこの人には、なんだかんだで運が足
りない場面があるような気がする。

佐藤琢磨は2001年、ジョーダン・ホンダでF1デビューを果たす。
02年には鈴鹿で5位入賞。輝かしい実績を残したが、08年には所
属していたチームが解散し、シートを失ってしまう。

09年にはトロロッソ・チームへの加入が決まりかけたが、ロシア
人ドライバーに敗れて、F1に戻ることはできなかった。

なんや、難しいことがあるらしいわ。ドライバーになるには、政
治力や資金力がいる。スポンサーの後ろ盾があって、チームに経
済的に貢献できないと、雇ってもらうことはかなわない。

ロシア人ドライバーの背後には、潤沢なロシアマネーが控えてい
た。技術は決して劣らなかったと自負している。

カーレースの業界では、やっぱり花形はF1だ。銀座の寿司屋みた
いなもんだ。その厨房に立つことが許されなかった佐藤琢磨は、
活躍の舞台をよそへ移すことを決意する。

アメリカのインディーカーだ。どうしてもレースに出たかった。
場所は変わっても、先の例なら地方に下っても店を変えても、一
線で働くことを忘れたくなかったのだ。

KVRTというチームが彼を受け入れた。急だったので、準備が十分
にできなかった。初戦のブラジルでは、スタート直後にスピンし
てリタイア。悔しい結果となった。

その後も車の不備による無念のリタイアが続く。波に乗りきれな
い苦しさがあった。

インディーカーにはオーバルコースというレース場がある。競輪
の競技場のように、すり鉢状になったサーキットだ。F1では見ら
れない形状で、琢磨にとっては初挑戦に近いものだった。

とにかく、レースは経験が物を言うようだ。コースの状態、作り、
そんなものを熟知していないといけない。なのに練習の日に、暴
風雨が襲った。誰よりも長くコース上にいたいのに、これも無念。

しかしこの初めてのオーバルコース、カンザスサーキットでは琢
磨は入賞を手にしかけた。4番手、5番手争いに加わることができ
たのだ。

しかも競っていたのは同じ日本人のドライバーである。日本から
来たマスコミは色めきたった。皆の期待を一身に背負い、走り続
けるが、衝突。

死角となっていた、女性ドライバーからのもらい事故だった。

「いい経験でした」と琢磨は語る。「ファンの皆さんには申し訳
なかったけど、手ごたえはあったし、難しさもわかった。手の皮
もむけたしね」

必死でハンドルを握っていた手は、擦り切れて、皮がめくれてい
たらしい。それでも琢磨は「楽しかった」と言い切っている。


ファンの方向け。カタカナが多く、基本的に「これくらいわかっ
てるよね」という、暗黙の了解の下で話が進んでゆくからだ。
レース用語など、詳しい解説は特別にはない。

といって、難解というほどでもない。基本的にはしぶとく、たく
ましく世界で戦う青年の物語、というところだから。

「終わらない夢」ってのはいいタイトルだと思ったよ。世界に飛
び出て挑戦をして、うまくいかないこともあるだろうけど、どう
かいつまでも前を見ていてほしい。

佐藤琢磨終わらない夢―F1との決別、もうひとつの戦場ヘ (SAN-EI MOOK)

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

「たかが」を「されど」にするための

毎日の修業。


今日も一日味わいつくしましょう。

2011年2月17日木曜日

本のご紹介です。「惜しい努力」で終わらせない思考法

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆ビジネス、営業系


「惜しい努力」で終わらせない思考法  午堂登紀雄
¥ 1,470  実務教育出版 (2010/8/31)


タイトルは素晴らしくいいと思うのだけど。

他人が流す情報に右往左往しているようでは、大成は望めない。
自分の頭で考える。それが、努力を成功に結びつけるコツ。

この本は「地頭」を鍛えるために書かれた。鵜呑みにせず、各自
なりの主張を抱いてほしい、そうだ。

・残業ゼロで仕事ができるようになったやつはいない。
・「できるヤツは遊びもできる」は嘘

ノー残業を提唱している人を見よ。彼らは若い頃、わき目もふら
ずに働いてきた人だ。二十代、三十代は土台を作る時期。がむ
しゃらに仕事をしよう。遊びも仕事も境がなくなって始めて、己
の能力が開花するのだ。

・「自己投資商人」のカモになってはいけない。
・やみくもな勉強が身を滅ぼす。

教材を買ったり、セミナーに通ったりする前に、そのリターンが
いかほどであるか、冷静に考えよう。自分が何をしたくて、何に
なりたいのか、わからないうちは自己投資は控えるべし。

資格に関してもそう。その資格がどう役に立つか、マーケティン
グをしてから、勉強を始めるようにしたい。

・ロジカルシンキングを学んで、賢くなった気になってはいけない。

シャ乱Qのメンバーが「シングルベッド」をヒットさせたときの逸
話。彼らはまず「有線放送で一番になる」という目標を立てた。そ
のために、メンバー全員で朝から晩まで有線に電話をかけまくった。

つんく♂さんはそのときのことをこう語る。「どんな壮大な目標で
も、プロセスを分解すると誰でもできる作業に行き当たる」

論理的な考え方だ。だがつんく♂さんがロジカルシンキングを学ん
だかといえばそうではない。目標を持って始めること、動き出すこ
とで、自然、答えが出るのである。

……と、まあ、前半は悪い感じではないねんけどな。後半に差しか
かると、なんやちょっと、どこぞ、未開の国の王様みたいな時代遅
れの話が始まるのよ。そこが違和感、まさに惜しい感じ。

・単なるワーカーの賃金が安いのは当たり前。
・「仕事がない」と言いながら選り好みしている人たち。

なんかなあ。この手の話を根性論で片付けるのは、頭のいい人がす
ることとは思えないなあ。

中に「先進国は北半球に集中している。それはなぜか。寒さが人を
鍛えるからだ」という一文がある。ならば南に住む人が貧困にあえ
ぐのは、温帯の恵まれた気候に甘えて堕落したせいであるのか。

であれば、イヌイットが世界制覇に乗り出してもかまわない、むし
ろそうあるべきだと思うのに、そうなっていないのはなぜか。

つじつまがあわんやんけ。


いや別に、ええねんけどな。だけどしかし、こういう「酒場の
オッサンがする議論」が中に混じっていると、本全体がどうにも
安っぽく思えてむなしい。

「俺らはよう、がんばって働いたんだ。若いのは甘えてる。貧乏人
は甘えてるんだぃ!」

まあ、それもそうかもしれんけど、世の中いろいろありますわいな。
その辺脇が甘いので、大人が読むにはちょっと残念。

覇気あふれる青年淑女が、ささっと読んでよいエッセンスだけを残
し、一晩で忘れるくらいがちょうどいい一冊。

惜しい努力

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

「心配り」と「気配り」は似ているが

「り」を取ると、

「心配」と「気配(けはい)」と全く違ったものとなる。

言葉を選ぶ時
一文字の違いで人生は変っていくんだ。

今日も一日味わいつくしましょう。

2011年2月16日水曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊


自分のことを深く愛し、
育てていくことで

はじめて本当の意味で人を愛することができる。

2011年2月15日火曜日

本のご紹介です。世界一わかりやすい4コマビジネス書ガイド

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆自己啓発系


世界一わかりやすい4コマビジネス書ガイド  山田 玲子
¥ 1,365  ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/9/15)


著名なビジネス書50冊を取り上げて解説したもの。

この本のいいところは三つ。

・著者の目線が、読書が苦手な人に優しい。

活字マニア、ビジネス書マニアという方ではないので、言葉も目
線もとてもやさしい。

著者ご自身は、仕事に忙殺されて流されてゆく自分を改めるため
に、ビジネス書を手に取られたのだそうだ。そして、生活は改善
された。

・古典、こりゃ読んでおくべきでしょ大御所本がきっちりライン
ナップされている。

最近私は、もう一度「7つの習慣」を読み直したいなあと思って
いたのだ。この本のおかげで、なんとなく読み返した気分。

ほか「チーズはどこへ消えた」「EQ」「道は開ける」「原因と
結果の法則」「人を動かす」「思考は現実化する」「自助論」。
ベストセラーもしっかり網羅。

・そんでいて、新しい本もちゃっかり取り上げられている。

古市幸雄さん、臼井由妃さん、神田昌典さん、勝間和代さん、和
田由美さん、池上彰さん、島田紳助さんまで。バラエティ豊か。
バランスがいいやね。

構成はこんな感じ。「7つの習慣」を例にご説明してみよう。

最初に四コマ漫画。本の内容をざっくりと紹介している。7つの
習慣の場合は「人間は自分のパラダイム(レンズ)で物事を見て
いる。パラダイムを変えると世の中が変わる。パラダイムシフト
を経験するには、自分を変えることが一番」

次、簡単なコメントとともに、著者が本を読んだ際にふせんをつ
けた箇所が引用される。

この場合は、人生を変える習慣7つが本書より抜粋されている。

主体性を発揮する、目的を持って始める、重要事項を優先する、
win-winを考える、理解してから理解される、相乗効果を発揮する、
刀を研ぐ。

そして、この方が本より学んだことのまとめが、飾りのない文章
でつづられている。

この方は「7つの習慣」を読んで、自分のパラダイム(レンズ)
のゆがみに気づかれたそうです。他者の立場を理解できるように
なり、身の周りのいざこざが減った。

最後に、本を読んで行うべきアクションが提示される。

「7つの習慣」から著者が学んだ、今後取るべきアクションとは、
「自分がかけているレンズに気づく」ということだそうだ。

漫画での大まかなまとめもわかりやすかったし、感想が書かれて
いるのが親しみやすいと思った。大上段からの論評でないのがう
れしいところ。


どこから読んでもいい。気になる本のページから開くのも可。気
が楽だ。

自分がこれまでに読んだ本を思い出して、著者の感想と比べてみ
るのもいいと思う。こういう学びがあるのかと、私自身、目から
ウロコの場面がたくさんありました。

お得!


本日ご紹介の本はこちらから↓
世界一わかりやすい4コマビジネス書ガイド

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

初志貫徹しない。

初心のままでいない。


今日も一日味わいつくしましょう。

2011年2月14日月曜日

第353冊 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」

乱読! ドクショ突撃隊♪    第 353 冊

【1】読書感想 (第353冊)
  
鯨統一郎  「邪馬台国はどこですか?」  創元推理文庫

著者の「新・世界の七不思議」が世界史編だとすれば、本書は日本史編。
歴史をそこそこ愛好している中間層にとっては、驚く異端異説ばかりで、
ただただ驚き面白可笑しく読んでしまう。
歴史学的にどうなのかは考察さへ出来ないが、知的興奮は存分に堪能でき
ます。
世界史編ほど語り部たちの小芝居もうざくなく、歴史そのもののミステリ
が味わえます。本書日本史編は全6編。

悟りを開いたのはいつですか?
邪馬台国はどこですか?
聖徳太子はだれですか?
謀反の動機はなんですか?
維新が起きたのはなぜですか?
奇蹟はどのようになされたのですか?

日本史編と書きましたが、ご想像のとおり「悟り」は仏陀、「奇蹟」はキ
リストです。
仏陀の苦悩にせよ、キリストの行動解明にせよ、ここまで書いていいんか
い?と思うくらいですが、こんな風に解き明かしてゆく作品を読んだこと
自体が初めてなので、ただただ驚きました。

「謀反の動機」は本能寺の変についてですが、まさか秀吉謀殺説じゃない
だろな・・・と思ったのが恥ずかしくなるような新説。
信長と天皇の経緯は知っていましたが、その心情を想像し組み立て、その
結果の行動をどう結びつけるかで、こうも考えつくとは実に面白い。

日本史編として日本の事だけに集中してくれた方が面白かったのに・・・
と言いたかったが、「仏陀」と「キリスト」考察が余りに興味深いので、
本書は「新・世界の七不思議」以上に良く出来た傑作だと思います。
もうこれ以上のネタは望むべくも無いけど、第3弾がいつか出てこないだ
ろうか。



邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)

こんな本読んだよ!1102140243

チア男子!! 朝井リョウ 集英社

大学の柔道部で汗を流す陽希。柔道一家に育ち、姉と共に小さい頃から柔道に打ち込んできた。しかしそんな生活に疑問を持ち始め、柔道から離れる決意をする。同じく柔道部を辞めた親友の一馬と一緒に男子だけのチアリーディングチームを結成する。寄せ集めのメンバー7人で学園祭の初舞台を経験。その後真メンバーとコーチを加え全国大会を目指す。
汗くさくない爽やかなスポーツ青春小説です。


チア男子!! 朝井リョウ 集英社

No.387 伊藤たかみ「海峡の南」→ 2.5点

伊藤 たかみ「海峡の南」→ 2.5点
発行元 :株式会社文藝春秋
初版発行:2009/9/15
伊藤 たかみ(イトウ タカミ)

あらすじ

かつて北海道の暮らしを捨て、津軽海峡を南に下った父は、様々な勝負に
対して最終的にはすべて失敗した。
ぼくもそのとばっちりを受けて色々な街をを転々とするはめになったが、
それでも父は僕を大人にまで育ててはくれた。

祖父が危篤だということで北海道に駆けつけたぼくは、その町で父のルー
ツに思いを馳せる。

コメント

梁石日の「血と骨」にちょっと似てるな。こっちの方が圧倒的に地味だけ
ど・・と言う感じの一冊。

男の人生における5大テーマとして「父親」「旅」「女」「仕事」「死」
があるよなと勝手に思っているが、本作は「父と子」を伊藤氏独特の繊細
なタッチで描いている。

ただ、ストーリーも文体もあまりに地味すぎて、読んでいてしばしば眠た
くなった。
読者を選ぶだろうなと思わせる作品。
父親というものは、立派であればあったで、ダメ男であればあったで息子
にとっては「あ〜やだやだ」と思わせる存在なのだが、自分自身が息子を
持ち、父親になってみると「なるほど、あの時の親父の気持ちはこんな感
じだったのかな」と思う瞬間もある。

しかし、だからといって自分の息子とこれから良い関係を積み上げていく
ことができるかどうかは全く自信がない。

父と息子って、ホント独特の関係だよな。
しみじみそんなことを感じた一冊。

海峡の南



0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

「前向き」や「幸せ」といった言葉に

固執すればするほど苦しくなる。


固執しない。

今日も一日味わいつくしましょう。

本のご紹介です。戦う!和風武器イラストポーズ集

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆たまには教養系


戦う!和風武器イラストポーズ集  両角 潤香、みずな ともみ
¥ 1,575  マール社 (2010/12)


時代小説を書く人はエライと、心から感心して、自分も学びたい
と思った。そして手に取った本がこれだ。

アホ、アホ、アホの三乗!(意味不明)豆腐の角に全速力で頭ぶ
つけに行きたい、恥ずかしさがてんこ盛りだ。

刀を頭上に構えた女の子の絵が表紙。紫の髪にピンクの着物。短
いその裾からは、制服のスカートが透けて見えている。ライトノ
ベルの挿絵になりそうな絵柄だ。漫画やイラストを描く人のため
の技法書、指南書である。

しかし、マール社だ。この会社は「中世ヨーロッパの服装」や
「ポーズカタログ」、「やさしい人物画」などの、美術関連のベ
ストセラーを出版しているすごい出版社なんだ。

作りはしっかりとしている。人の体の動き、和の衣装のしくみ、
武器の持ち方扱い方、絵を描くときに必要なポイントが、実に真
面目に解説されていた。

たとえば日本刀。一口に言っても、時代ごとに使われる刀は異
なっている。室町前期の頃までは、太刀と呼ばれる長めの刀が一
般的だった。そりが大きいため、下緒という紐で腰にくくりつけ
て持ち運びがされる。

室町後期から幕末にかけては打刀が使われた。全長約95センチ。
まっすぐなので抜刀がしやすい。江戸時代にはこれにあわせて脇
指が持たれた。

大小二本の刀を下げる。このとき、袴の紐に通すと考える人が多
ようだ。だが実際には着物と角帯の間。袴の脇の切れ目から、鞘
が出るように描こう。

参考になるポーズ集がある。鞘つきのポーズ、抜刀の場面、静止、
動きのある構え。多様なので、参考になるポーズも見つけやすい
はず。

また、弓も忘れてはいけない。歩兵が使う武器であり、奇襲戦法
などに用いられた。飛距離は50から150メートル。銃にとって代わ
られるまで、主要な武器として活躍した。

和弓は大きい。矢は口の高さで構える。このとき、肘と弓が一直
線になるように。よく、矢を指ではさむように描く人がいるが、
これは間違い。弓を握った親指の上に矢を乗せるように構える。

矢は背中の矢筒に背負う。体の前に紐を通して、矢筒を背中にく
くりつけるわけだが、このとき、紐と矢筒の方向は同一。右手で
上から取り出すので、矢羽根が右肩から見えるように描くこと。

ポーズ、下向きの構えがあるのが面白かった。地面の敵にとどめ
をさすときにも、矢が使われていたからだ。構え、射る瞬間、そ
の軌跡を眺める姿勢、ポーズもいろいろ。

槍、なぎなた、手裏剣、クナイ(くさびのような武器。小刀とし
て、投擲用に、用いられ方は様々)鎖鎌、トンファ、鉄扇など。

銃と刀の二刀流が格好よかった。地面に立てた刀のつばに、銃を
乗せて安定させ、発砲するという使い方もあるそうだ。

両手で武器を扱うという華やかさがうけて、フィクションなどで
よく用いられる。銃口で相手を狙い、背後を刀で守るなど、隙の
ない構えが可能。

新旧が入り乱れた、幕末の混乱期にふさわしい派手なアクション
と言えるだろう。


時代劇ファンの方、和風ファンタジーに興味のある方向け。

戦う!和風武器イラストポーズ集

第352冊 池上彰「そうだったのか!アメリカ」

乱読! ドクショ突撃隊♪    第 352 冊

【1】読書感想 (第352冊)
  
池上彰  「そうだったのか!アメリカ」  集英社文庫

TVで大人気になった池上彰。
文庫本でも彼の本がズラリと並んでいるので、一冊読んでみました。
ほんとは「そうだったのか!中国」を読みたかったんだけど、アメリカから
おさらいした方が勉強になるかなと思った次第。

丁寧すぎる文体で、分かりやすく書かれているゆえ、かえって頭に入って
こない。
読みやすいので文章をズンズン読み進んでいくのだけど、しっかり理解して
進んではいない。
なんとなく分かったような気はするし、章の最後で「まとめ」まであるので
要点は抑えられるが、細かいところは記憶に残っていない。

私自身の好みとしては、もう少し硬い文体の方が好きです。
本をあまり読まない人、ほんとにアメリカについて基礎から知りたい人に
とっては良いかも。
ヘタに所々知ってると端折ってしまって、初心に帰ってじっくり読む人の
方が身につくのかもしれない。
さすが頭の良い人が書いただけあって、章立てはなかなか。

第1章:アメリカは宗教国家だ
第2章:アメリカは連合国家だ
第3章:アメリカは「帝国主義」国家だ
第4章:アメリカは「銃を持つ自由の国」だ
第5章:裁判から見えるアメリカ
第6章:アメリカは「移民の国」だ
第7章:アメリカは差別と戦ってきた
第8章:アメリカは世界経済を支配してきた
第9章:アメリカはメディアの大国だ
オバマ以降のアメリカ

アメリカの出発点から始まって、開拓や独立、戦争や差別など歴史をなぞ
りつつ諸問題をテーマに据えて章立てしていく。
知らない事もたくさん読めたので、一読するのは悪くなかった。


そうだったのか!アメリカ

2011年2月13日日曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

昨日の自分とばかり競争していたら、

他人と競争するのを忘れてた。


愉しむことに集中していたら、

自分と競争することも忘れてた。

今日も一日味わいつくしましょう。

週刊 お奨め本 第433号『体のいいなり』

週刊 お奨め本
2011年2月13日発行 第433号

『身体のいいなり』 内澤旬子
¥1,300+税 朝日新聞出版 2010/12/30発行



先週に引き続いて、病気ネタ。
闘病記…というよりは、内澤旬子の病気エッセイって感じかな。

内澤旬子は、2007年6月10日発行の本メルマガ第241号『世界屠畜紀行』の著
者です。『世界屠畜紀行』といい、『東京見便録』『東方見便録』(内澤がイ
ラスト担当)といい、現地取材重視の突撃タイプっぽいので、てっきり健康が
自慢、という人かと思ってました。
ところが。


> 生まれてからずっと、自分が百パーセント元気で健康だと思えたためしが
> なかった。
> 胃酸過多、腰痛、アトピー性皮膚炎、ナゾの微熱、冷え性、むくみ、無排
> 卵性月経など、「病気といえない病気」の不快感にずっとつきまとわれて
> 来た。(5頁)


そのうえ、38歳にして乳癌の宣告。
数々の持病(病気といえない病気とはいえ)のうえに、キング・オブ・病気の癌。
さぞや悲愴感あふれた壮絶な闘病記が…! と思いきや。


> それが不思議なことに癌の治療中からすこしずつ元気になり、今ではギリギリ
> とはいえ、どこも痛くも痒くもなく、夜は熟睡、朝の目覚めはすっきり、買物
> にだって気軽に出かけられるという、健康な普通の人には当たり前のことだが、
> 自分にとっては信じられない、夢のような日々を送ることができるようになった。
(5頁)


癌で元気になった!?
いや、元気の理由はもちろん癌じゃありません。
オチを言ってしまえば、癌治療の副作用があまりにひどくて、藁をもつかむ思い
で始めたヨガで、体質改善されたようなのだ。
しかしそもそも癌にならなければ、ヨガも始めなかった。
すべてはつながっている。


それにしても内澤旬子、あきれるほどの病弱ぶりです。
特に、腰痛とアトピー。
なのに海外を歩き回り安宿に泊まる。
腰にコルセットを巻き、重いリュックを背負い、安宿のベッドは腰に悪いからと
床に寝る。口紅を塗れば唇の皮が一枚?ける。合わないシャンプーを使ったとき
は涙が止まらなくなり、かゆみに耐えかねて寝ているあいだに掻いた目頭がパッ
クリ裂ける。
…悲惨。


というような持病の歴史と、癌に罹患して入院手術の体験、さらに手術後の現状
の報告記。
その間、繰り返し、おカネの問題が出てくる。


おカネ!
これは問題だ。
最近でこそ「癌になったらいくらかかるか」といったような書籍も目に付くよう
になったけれど、ひと昔前までは金銭問題は避けて通られていた気がする。
だいたい十万円以上の金額がかかるものに事前の見積もりもなにも無しで、問答
無用で払わせるってのは、考えてみたらすごいことだよな。

で、内澤旬子はなにかにつけ、カネに苦しむ。
リアルだ。
人間、生きていくにはカネがかかる。
病気になったらさらにかかる。しかも病気で働けなくなったりしたらおおごとだ。
発行人、生命保険見直そうかなと真剣に考えてます。

内澤の人生観、女性性との向き合い方等、他にもいろいろ読みどころいっぱい。
特に乳房に対する女性と男性のあまりの感覚の違いにはびっくり。この辺はでき
れば皆さんの感想を聞きたいところだ。

身体のいいなり』 内澤旬子

2011年2月12日土曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

もし悩むとしたら、

ひとつのことを

3年以上やり遂げた後で悩もうかな。

今日も一日味わいつくしましょう。