2010年12月13日月曜日

本の紹介です。誰のうえにも奇跡は降りてくる

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆自己啓発系

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誰のうえにも奇跡は降りてくる  はる
¥ 1,260  PHP研究所 (2010/6/17)

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著者のはるさんは沖縄のユタ。では、ユタとはいったい何なのか。
本書からその答えになる部分を引用してみたい。

「ユタは一般人と同じように生活し、一般人を相手に霊的アドバ
イスを行うことを生業とする在野のシャーマン、カンナギ。沖縄
の人の自警団。

パブリックな場所には存在せず、住民達の先生として地域に存在
し、先祖を祀るだけでなく、現在の生活の悪いところを指摘した
り、幸せの方向にいける方法を教えたりします」

霊的な存在であると同時に、俗世間的な問題にも通じる地域の相
談役のようなものであるか。集団の中に、こういう人を置くのは
古来からの知恵なのかもしれないな。

そんでもってこのはるさん、これまで16万人の人から相談を受け、
カウンセリングを行ったのだそうだ。伝説のユタと呼ばれている。

本書には、その経験から得た人生の知恵、処世術がまとめらえて
いる。女性向けのきらいはあるが、恋愛に偏っているわけでもな
く、誰が読んでもためになる部分はあると思う。

・女性の恋愛について

思い込みは捨てよう。「若くないから恋愛ができない」と悩む女
性が大勢いる。だが「男性は若い子が好き」というのは単なる思
い込みでしかない。

年下の彼とうまくいかなくて悩む女性に、「あなたからアプロー
チしてごらん」とアドバイスすると、たいてい、すんなりとうま
くいく。しっかりした男性は、大人の女性のよさを知っている。

・仕事について

男性社会である。女性はまずそのことを知り、うまく合わせた生
き方をしよう。先を見据え、ニコニコ笑っておなかを開かせ、ず
ばりと切り込んでいくのも一つの方法である。

会社での出来事はすべて「お仕事」。人との関係もお給料のうち
だ。仕事でも恋愛でも、最後に勝つのは人を見る人、相手の出方
を見定めることができる人。会話のキャッチボールを楽しみなが
ら、相手にしゃべってもらうことがうまく事を運ぶコツ。

・人生について

体を動かすと運気があがる。動いてから考えるのも一つの手。そ
の場合、失敗したらさっと方向転換する柔軟性も大切である。

運気には予兆がある。たとえば交通事故。事故を起こす前の行動
を見直すと、かすったり、石が飛んできたり、何かしらのよくな
いことが起きているとわかる。

予兆を早めにつかんで対処しよう。その際、悪いことのあとには
よいことがあるのだからと、恐れず希望を持ち、明るい心持でい
ること。

ネガティブな自分がいやになったら、その思考や行動を変えよう。
性格や性質を変えようと思ってはいけない。無駄だし、無理だし、
とても大変なことだからだ。口に出す言葉を変えるだけで、ずい
ぶんと多くのことが変化してゆく。

それでもマイナス思考が抜けない人は、これまでの自分に感謝し
て別れを告げよう。

マイナス思考に陥っていたのは、それなりの理由があることだし、
必然性があったこと。だがその自分はもう必要はなくて、新しい
自分に生まれ変わろうとしている。

一つの役が終わったと考えよう。「もういいの、これまでありが
とう」と言って、辛かった役目を捨ててしまう気持ちで。希望が
あれば人は死なない。


オーラを見る方法が紹介されている。手を壁にかざし、3D画像を
見るような感覚で手と壁、両方に焦点を合わせる。すると手の先
から見えてくるものがあるのだそうだ。

一瞬、その気になってやってみたけど、私には当然のように無理
だった。面白そうだとは思うんだけど。

誰のうえにも奇跡は降りてくる

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●年末を見据えて、そろそろプリンターの季節ですなあ。

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No.379 江國香織「落下する夕方」→ 3点

江國 香織「落下する夕方」→ 3点
発行元 :株式会社角川書店
初版発行:1996/10/30
江國 香織(エクニ カオリ)

あらすじ

別れは突然だった。
8年間を一緒に暮らし、私と私の幸福のほとんど全てを形づくっていた男、
健吾が突然私の元から去っていったのだ。
理由は新しい女。

実にまあ良くある話だが、自分の身に起こってしまうと骨身にこたえた。
そして、話しはそれで終わらなかった。
あろうことか、健吾が好きになった女、華子が家に転がり込んできたのだ。
私と華子の、奇妙な共同生活のはじまりから終わりまでを描く。

コメント

なんとも女性らしい視点の作品だなあというのが読後の第一感想。
感性と理性、感覚と思考、ココロとアタマ、主観と客観、いろいろあるけど
常に前者を優先させるのが女性だと言う思い込みが私にはあって、その観点
からいうと本作はいかにも女性的だ。

別に詰まらなくはなかったけど、梨果にも華子にも付いていけねーやと思っ
た箇所がちょこちょこあった。
ちょっと前に「話を聞かない男、地図が読めない女」という本が話題になり、
読んでみて男と女の考え方というか成り立ちの違いみたいなものに「なるほ
どなあ」と感心した記憶がある。

曰く、男と女の最大の違いは「自分」と「外の世界」との捉え方にあるらしい。
確かに個人的な意見としても男は自分というものをどこかで客観視していて、
「まず世界があり、その中に自分が居るのだ」という俯瞰的な認識があるよう
に思う。
対して世の女性は自分という境界線がもの凄く強固であり、「まず自分があり、
それを取り巻く周囲の環境として世界はある」という構図で世の中を見てらっ
しゃるような気がしている。(もちろんどちらが良いとか悪いとかいう話しで
はありません。)

本作は、そういった直球ド真ん中の「オンナ」を梨果と華子という二つのキャ
ラクターの視点からじっくりと描いていて、ふたりの中間にいる健吾が、まる
でテニスボールのように梨果と華子の間を行き来する状況がなかなか面白かった。

まあしかし、男の立場から読んでると、やっぱ女性はよく分からんわいと思って
しまう部分もあるお話しでした。。

江國 香織「落下する夕方」





0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

家族の大切さを知るほど、

自分の大切さに気づくようになった。


今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月12日日曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

何もない平和な日が、

かけがえのない一日だと常に思える人でありたい。


今日も一日味わいつくしましょう。

週刊 お奨め本 第424号『パンとペン』

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週刊 お奨め本
2010年12月12日発行 第424号
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『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』 黒岩比佐子
¥2,400+税 講談社 2010/10/7発行
ISBN978-4-06-216447-4
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11月に逝去したノンフィクション作家・黒岩比佐子氏の、最後の著作。
副題の通り、堺利彦と「売文社」がテーマ。


堺利彦は、日本の社会主義運動の先駆者、思想家、啓蒙家。
のみならず。
社会主義者で投獄された第一号、女性解放運動に取り組んだフェミニスト、海外
文学の紹介者で翻訳の名手、言文一致体の推進者、平易明快巧妙な文章の達人、
憲兵隊に命を狙われた男。Etc…


発行人は不勉強で、日本の社会主義史をよく知らないんですけど、太平洋戦争以
前の日本が社会主義者にとってつらい時代であったことくらいは、そりゃわかる。

日露戦争開戦の前年、堺利彦と幸徳秋水は平民社を創設し、週間『平民新聞』を
発行して戦時下に反戦運動を続けた。
平和という理想に燃えた平民社時代は、当時の主義者達にとって美しい時代だっ
た。その後、赤旗事件、大逆事件が起き、幸徳秋水は死刑。
堺利彦をはじめとする社会主義者たちにとって、その後の明治末期から大正期の
売文社時代は、暗闇のなかで息をひそめ、迫害のなかですごした苦闘の時期だった。

著者・黒岩比佐子は、その冬の時代、売文社に焦点を当てて、堺利彦の人物像を
描き出す。

冬の時代から暗黒時代へと向かう時代の中で、堺利彦は「売文社」で、仲間たち
に生活の糧を与えた。
売文社は、現在の「編集プロダクション」の先駆的なもので、おそらく日本初の
「外国語翻訳会社」であった。

実際に取り扱った仕事の一覧を見ると、写真説明文の英訳、雅号の選定、商標考
案、広告文英訳、新刊雑誌発行趣意書、新刊雑誌発行の辞、雑誌原稿、カタログ
編集及び意匠、英文及び独文書簡、演説草案起稿、某氏自伝談話筆記及び編集、
等々。
新刊雑誌の趣意書に発行の辞って、そんなもの発行者が書かなくてどーすんの、
という気もするが。
他に大学卒論やら赤ん坊の命名、絶縁状に金の無心、自殺しようとする男の遺言
の草稿まで引き受けたとのことで、本当になんでもあり。

堺利彦、多才である。
もちろん堺ひとりでそのすべての仕事をこなしたわけではないが、注文が立て込
んできたときの堺の「早業と芸当は並大抵ではなかった」という。「万人向きと
いふあんな調法の人はちょっと見つかるまい」。


堺利彦は、自分ひとりが生きるだけなら、売文社を必要とはしなかった。
名文家で知られ、高名な作家たちとの交友も多かった堺には原稿の依頼もあった。
就職口を奪われ、糊口を凌ぐ術を持たない仲間たちに仕事を与えるためにこそ、
売文社は必要だった。


作家の尾崎士郎は、売文社をモデルとした小説のなかで、堺利彦を大石内蔵助に
喩えている。「仮名手本忠臣蔵」で主君の仇討ちを狙う大石内蔵助が、周囲を欺
くために遊蕩三昧の日々を送るように、堺も官憲の目を欺きながら、時期の到来
を待とうとしたのだと。


1917年、堺は売文社を社会主義運動と完全に切り離す、と表明した。
顧客が社会主義とのかかわりを怖れて依頼をためらうようではビジネスに差し障
りが出る。社員にきちんと給料を支払うためにも、売文社の経営を成り立たせる
必要があったのだ。

> 理想を追うためには、どうしても金銭が必要になる。その金銭を得るために何
> か手段を講じるのは当然で、座して死を待つべきではない。誤解を招くことも
> 怖れず、批判を受けることも承知の上で、堺はこの時期に売文社の大拡張を推
> 進していった。(318頁)


ユーモアと筆の力を武器に、冬の時代を生きた。
幸徳秋水のようなカリスマ性はなく、刑死せず畳の上で病死したことで軽視され
る向きもあるが、堺利彦の存在が日本の社会主義に与えた影響は大きい。

勉強になったうえに、堺利彦がとにかく魅力的で、読んでて楽しかった!
硬い本だと敬遠しないで、まあいちど手にとってみてくださいませ。



『パンとペン』 黒岩比佐子

2010年12月11日土曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

先の見える時代だろうと、

見えない時代だろうと、

自分の未来は自分で切り拓くしかない。

今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月10日金曜日

●名言セラピー【寿命が40年だとしたら】

━━━━━━━━━━━━━━●名言セラピー


If the average human life span was 40 years, how would you live your life differently?
もしも、人間の寿命が40年だとしたら、どんな人生を生きたい?

Would you rather be a worried genius or a joyful simpleton?
悩み多き天才と、単純でハッピーな人。どっちになりたい?


What is the one thing you'd most like to change about the world?
世の中でたった一つだけ変えられるとしたら、何を変えたい?

What is the best choice you slould buy,if you have 1,260yen?

Off course, this one!(笑)

→ 名言セラピー幕末スペシャル The Revolution!

龍馬(33歳)、高杉晋作(27歳)、吉田松陰(29歳)、
彼らは40歳まで生きることができなかった……
文字通り命がけで葛藤の中を生きたサムライたち。


彼らには
一つだけ
何があってもやりぬきたいことがあった……


それは……

革命!

日本を変えること。

「日本史上最高にかっこいい男たちを見よ」


と始まる
「名言セラピー 幕末スペシャル
 The Revolution!」


12月10日本日発売です。

→ 名言セラピー幕末スペシャル The Revolution!

これほどまでにかっこいい日本人がいたことを知らずに死んではいけない。
なぜなら、僕らにもその血が流れているのだから。

あなたのソウルスイッチを入れる1冊になったとおもっちょります。

本のご紹介です。どんぐり姉妹

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆話題の小説系

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どんぐり姉妹  よしもと ばなな
¥ 1,365  新潮社 (2010/11)

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姉の名前はどん子、妹はぐり子。二人合わせてどんぐりだ。双子
ではない。両親は姉が生まれたとき、対になる名前をつけるべき
妹が生まれることを、なぜか知っていたようだ。

妹の一人称で語られる物語。二人は「どんぐり姉妹」というサイ
トを開き、メールを受け、返信する。

どんぐり姉妹では金銭のやり取りは発生しない。誰かにメールを
出したくなったとき、しかしその相手が見当たらないとき、そっ
とアクセスしてほしいというのがどんぐり姉妹の趣旨である。

両親はのんびりした人だった。二人とも文章に関わる仕事をして
いた人で、その影響なのか、姉のどん子はフリーライターとして
働いている。

妹がメールを見、事務処理をして姉が返信をする。どんぐり姉妹
はさまざまな人のつぶやきを聞いて、その孤独に寄り添う作業を
くり返している。

姉妹の両親は二人が幼い頃に亡くなってしまった。交通事故だ。
新鮮な魚を地方から運ぶトラックに、衝突して死んでしまったの
だ。妹はしばらく刺身を食べられない時期が続いた。

最初に二人を引き取ってくれたのは、静岡のお茶農園の親戚だ。
農園の仕事をたくさんしたが、労働で汗を流すのは楽しかった。

次に身を寄せたのは医者の家だった。派手好きなおばさんと趣味
が合わず、姉妹は次第に追い詰められていく。姉は家を出、妹と
暮らすために懸命に働く。残された妹は衰弱し、ついに腎臓を悪
くするほどになってしまう。

その頃、妹はクラスメイトにひそかな恋をしていた。海が好きな
男の子、麦君だ。海に連れて行ってと、妹は言いたかった。麦君
も一度「いつか」とだけ言って黙り込んだことがある。いつか、
一緒に海へ行こう。

弱りきった妹を、姉が迎えに来た。親戚のおじいさんの家に転が
り込み、介護をし、その死を見取る。姉妹が住んでいるのはその
おじいさんが残してくれたマンションだ。

姉は奔放な恋をしている。結婚はしないという考えだが、恋が燃
えあがる瞬間を楽しんでいる。今のお相手は韓国人の青年だ。四
角い顔をした彼に、姉は父の面影を見ているらしい。

どんぐり姉妹に一通のメールが届く。夫が死んで悲しいというも
のだ。妹はふと、麦君を思い出して消息を尋ねる。そして、麦君
がバイクの事故で亡くなっていたことを知る。

妹にはその予感があった。夫の死を嘆く女性のメールに、不思議
と共感を得ていたのだ。妹は麦君の住んでいた場所を訪ね、偶然
にもその母親と道端で出会う。

持っていた花を手渡しながら、これを海に置いてこなくてよかっ
た、いや、置かずに持ってきたのは何らかの力によるものなのだ
と妹は考える。


どこか不思議な、インスピレーションと優しさに満ちた物語。

あらすじをご紹介してしまったけれど、あらすじなんか、実はど
うでもいいと思えるお話。地の文が面白い。

妹がサムゲタンを作る場面が出てくる。鶏肉や人参の香りが漂っ
てくるようで、とても幸せだった。食べ物が出てくる小説、好き
だわ。

本日ご紹介の本はこちらから



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双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

忙しいと口にするだけで、何倍も忙しくなれる。

楽しいと口にするだけで、何倍も楽しくなれる。


今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月9日木曜日

本のご紹介です。集団感染マーケティング

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆ビジネス、営業系

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1通のちょっと変わった手紙で、新規客が殺到する! 集団感染
マーケティング  杉村 晶孝
¥ 1,575  ダイヤモンド社 (2010/10/29)

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ピンクの背景に黄色の放射線。いや、派手やわあ、この表紙。

セールスの手法を書いた本。くり返されるのは「金を使うな、知
恵使え」という主張である。

お金を使ったマーケティングの愚、お金をかけず行った工夫とそ
の効果。様々な例が示されている。お金をかければかけるほど、
モノは売れなくなるというテーマが非常に面白い。

お金をかけた例

・雑誌にお金を出して紹介記事を出してもらった。広告を記事に
見せかけて書くという手法だ。以後、会社に電話がかかってくる
ようになったが、どれも広告の売込みばかり。需要がある、カモ
と思われたせいだ。

・コンサルタントにすがる経営者が多い。セミナーに出かけ、暗
示をかけられたように意気揚々とするが、すぐにしぼんで類似の
セミナーに出かける羽目になる。

・コンサルタントの指導を受けてFAXでDMを流した。結果、か
かってきた電話は苦情ばかりだった。

お金をかけない例

・流行している言葉を広告に取り入れる。その言葉は流行歌から
抜き出すとよい。「一人じゃない」「同じ空の下」「会いたい」
など、同じような言葉を羅列した歌詞に注目し、コピーに使おう。

人は聞きなれた言葉、刷り込まれた言葉に反応する。テレビが流
行させた言葉は遠慮なく使いたい。話題の商品、ベストセラーに
共通するタイトルなども、同じく使うべき言葉である。

・人は権威に弱い。だがその権威とは何か、冷静に考えてみよう。

権威は作られるものである。であれば、自らその権威になってし
まえばことは簡単。「カリスマ」「先生」「職人」「巨匠」「鉄
人」。人からそう呼ばれる工夫をしてみよう。

自分では当たり前と思っていることも、ほかの人はまるで知らな
いということがある。たとえば魚屋さん。新鮮な魚の身分け方、
おいしい料理法。こんなことくらい、と思っていることを教えて
あげると、案外と人は驚く。「カリスマ」になるのも簡単なので
ある。

・個人ではなく、集団を釣り上げる手法がある。個人が属する集
団を狙う方法だ。

棚ボタ式に客が見つかる集団がある。職人気質が強い職場、上下
関係がはっきりしている職場、小規模の職場、タバコ部屋や休憩
所がある職場。

こういう場所で客を見つけると、その客が味方になってくれるこ
とがある。

このような場所に告知をする方法を教えよう。それは、その会社
のポストにチラシを入れておくことだ。

その際、封筒の表に「○○事務所ご担当者様」と宛先人を書き、
さらに「回覧」という判子を押しておくこと。すると担当者だと
自認する人が現れ、チラシを掲示板に張ったり、回覧で回してく
れるようになる。

社内で掲示されるもの、回覧されるものは信用しやすい。受注に
結びつきやすくなる。


実に泥臭く、気合を感じる一冊だった。読みやすい。

うちの近所に、行列ができるパン屋さんというのがあるんだ。天
使のチョコリングなんてものを売り出しているお店だ。

確かにおいしいけど、といって、それがほかの店にない特別なも
のかと言えばそうでもないと私は思う。でもその名前と行列、か
わいいお店の外観で、みんなその店でパンを買うことを「特別」
なことと考えている節がある。

その社長さんは、考えの90パーセントが商品のこと、ヒット商品
の構想なのだそうだ。日夜人々を引きつける手法を考えていると
いうことらしい。

知恵に勝る宝なし。すばらしいね。

1通のちょっと変わった手紙で、新規客が殺到する! 集団感染マーケティング

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●年末を見据えて、そろそろプリンターの季節ですなあ。

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双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

悪い人もいい人もいない。

悪い部分といい部分がどれくらい、

今その人の表面に現れているかだ。


だから人類に少しだけ希望が持てるのだ。

今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月8日水曜日

本のご紹介です。堀秀道の水晶の本

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆たまには教養系

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堀秀道の水晶の本  堀 秀道
¥ 1,680  草思社 (2009/12/22)

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水晶を鉱物としてとらえた、実に真面目な本だった。

鉱物ファンにとって、水晶とは「圧倒的に普遍的でありかつ特殊
な鉱物」なのだそうだ。水晶が嫌いでは、鉱物の収集はできない
のだとまでおっしゃっている。

水晶は、たいていの鉱物の産地でその採掘に伴って採れるものな
のだそうだ。まれに採れないところもあるが、鉱物の採掘と水晶
は切っても切れない関係にある。

男性のコレクターは金属の鉱物が好きだが、そのような人でも水
晶については熱く語ることが往々にしてある。歴史的に見ても、
実用品であったり、呪術的な意味合いを持っていたり、水晶は実
に不思議な鉱物であるといえる。

水晶は酸素と珪素からできている。採れるのは地球の皮の部分、
地殻と呼ばれる場所である。長い年月をかけて、まるで「ラッ
シュアワーに人が押されて密度が高くなるように」規則的な形に
整えられてゆく。

だが一口に水晶と言っても、その色や形、様々なものに分類する
ことができる。

たとえばアメシスト。(アメジストと書かれることが多いが、正
式にはこう呼ぶらしい) 紫の色合いを帯びた水晶で、二月の誕
生石として宝石の扱いを受ける水晶である。

この紫色は、結晶の中に入った三価の鉄イオンが、放射線の影響
を受けて変化し、発色するものである。

アメシストは現在、人の手で合成して作ることができる。できが
よく、天然のものとの見分けが案外と難しい。もともと安価な宝
石であることも加味して、日本では特に区別されずに店頭に並ん
でいるようである。

水晶は日本の山でもよく採れる。山梨県にはよい鉱脈があり、昔
はよく掘られていた。水晶掘りを仕事にしていた人も、最近まで
はいたのである。筆者はその方から、ねじれ水晶という珍しい品
を譲ってもらった。

水晶という名前が入った地名も多くあり、古来から人々が水晶に
親しんできたというのがよくわかる。

その他、筆者のコレクション、世界の水晶の産地なども上げられ
ているので、ご興味のある方はぜひ。

最後に天然物の水晶の見分け方を、少しばかりご紹介してみたい
と考えている。

簡単なのは、一本線を引いた紙の上に球を乗せてみることだ。本
物なら線が二本に見える。複屈折という光学的現象のためである。

さらに理化学メーカーに持ち込んで、赤外線吸収スペクトル測定
という技法を頼むこともできる。だが高価なので、その価値あり
と判断される球以外はお勧めはしない。

筆者が最近、独自で考え出した手法が述べられている。球の中に
できる光の輪を見る方法だ。

透明な球の中には光の輪ができる。これが均等であるのが人工物。
天然の物には輪のふちが膨らんでいる場所があり、それが左右対
称に見える。これは新しい見分けの手法であり、今後どこかで発
表する予定のものであるのだとか。


うーん。パワーストーン大好き、という軽い頭で読んでみたら、
案外と難しくて居住まいを正す羽目となってしまった。だが、読
み応えは十分。

いつか掘りに行ってみたいものだなあと、ぼんやり考えるまでに
なってしまった。

アメリカには、そういうイベントなんかもあるみたいだね。ミネ
ラルパークとして、お金を払って鉱物を探すことができる場所も
あるらしい。楽しそうだなあ。

堀秀道の水晶の本

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●年末を見据えて、そろそろプリンターの季節ですなあ。

EPSON Colorio インクジェット複合機

無線LAN&高画質、カンタンLEDナビ搭載。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

絶望と希望が戦っている間に、

「今」という宝物が逃げていく。

今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月7日火曜日

第337冊 乙川優三郎「生きる」

o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o
              
        
  乱読! ドクショ突撃隊♪    第 337 冊
              
                       2010.12.7
o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o-o
              
          
          
【1】読書感想 (第337冊)
  
乙川優三郎  「生きる」  文春文庫

直木賞受賞作「生きる」(96ページ)の他、中篇2編「安穏河原」
「早梅記」を収めた中篇集。
乙川氏の作品は数冊読んでいて、現在活躍している時代小説家の中では
大好きになった作家であり、本書は直木賞受賞作も含んだ作品集とあって
大いに期待して読んだのだが、これがいけなかったのか。
そもそも「生きる」というベタな題名が、自分には違和感があったという
か、予感がしたというか。

父の代で、浪人から召し上げられて扶持を貰い、自分の代で殿様の覚え
目出度く、石高はうなぎ上り。
自分の才覚で収入を増やしたわけではあるけれど、封建時代は殿様の意向
あって初めて、昇格昇進給料倍増となるわけだ。
それだけに、江戸時代初期は「追い腹」というのが頻繁で、ご厚情特に
篤かった者は、殉死することが多かった。

「生きる」の主人公は、この殉死をめぐって翻弄される話。
ただし、人物の精神が低い。
あくまで一般的な人間性を据えたかった、ごく普通の人間を主人公にして、
「生きる」ことの深淵を描きたかったんだろうが、江戸初期の武士がここ
まで軸がないかなぁ。
結局人間とはこういうものなんだからと、著者は書きたかったんだろうけ
ど、昔の時代小説家はもっと峻烈な心理描写を書いたはず。
こうまで腑抜けた心だったのかなぁ・・・と思ってしまう。

「安穏河原」は女郎に身売りした悲劇。
武士として理想を貫き通したばかりに浪人となり、世間知らずもはなはだ
しい挙句に食うに食わずの貧乏生活。
妻が長患いとなって薬代がどうのもならなくなったので、一人娘を女郎に
身売りさせてしまう。
ここから話のスタートなんだが、浪人となった理想論を唱えてきた父の
行動にイライラ。
結局、娘とはいえ我が身の方がかわいいんじゃないかと憤ってしまう。

「早梅記」もなんだかなぁ、という話。
武士として大出世を遂げた隠居爺さんが、今日も息子夫婦に気兼ねしなが
ら散歩に出かけるところから話は始まる。
しかし、その爺さん、若い頃は当時の武士としては当たり前だったのだろ
うが、一人の若い娘の人生を台無しにしてしまっている。
しかも、責任を取るつもりだったのに何やかやで取れなかったと言い訳し
ている始末。
所詮、自分より階級の低い者への考え方はそんなとこだったのです、と
著者はさらりと書いているが、現代人から見れば、もうここで許せない話
となってしまう。
結局そんな気持ちで読み続けるもんだから、主人公(爺さん)の心情には
まったく寄り添えず、勝手なことばかり言うな!という気持ちで話は終わ
った。

結局3編とも、イライラムカムカばかりしていた。
時代小説は、読書の合間の清涼水みたいに読んでいるのに、本書はまった
く駄目だった。

●名言セラピー【おべんとう】

名言セラピー


亡き父へ贈る 「ぼくとお父さんのおべんとうばこ」 ゆきのり君7歳の作文より。




おとうさんがびょうきでなくなってから三年、
ぼくは小学一年生になりました。


おとうさんにほうこくがあります。
きっとみてくれているとおもうけど、
ぼくはおとうさんのおべんとうばこをかりました。


ぼくは、きのうのことをおもいだすたびにむねがドキドキします。


ぼくのおべんとうばことはしがあたって、
すてきなおとがきこえました。

きのうのおべんとうは、とくべつでした。
まだ十じだというのに、おべんとうのことばかりかんがえてしまいました。


なぜきのうのおべんとうがとくべつかというと、
それはおとうさんのおべんとうばこをはじめてつかったからです。
おとうさんがいなくなって、ぼくはとてもさみしくてかなしかったです。


おとうさんのおしごとは、てんぷらやさんでした。

おとうさんのあげたてんぷらはせかい一おいしかったです。
ぼくがたべにいくと、いつもこっそり、ぼくだけにぼくの大すきなエビのてんぷらをたくさんあげてくれました。

そんなとき、ぼくはなんだかぼくだけがとくべつなきがしてとてもうれしかったです。
あれからたくさんたべて空手もがんばっているのでいままでつかっていたおべんとうばこではたりなくなってきました。


「大きいおべんとうにしてほしい」


とぼくがいうと、おかあさんがとだなのおくからおとうさんがいつもしごとのときにもっていっていた
おべんとうばこを出してきてくれました。


「ちょっとゆうくんには、大きすぎるけどたべれるかな」
といいました。


でもぼくはおとうさんのおべんとうばこをつかわせてもらうことになったのです。


そしてあさからまちにまったおべんとうのじかん。
ぼくはぜんぶたべることができました。

たべたらなんだかおとうさんみたいに、つよくてやさしい人になれたきがして、
おとうさんにあいたくなりました。
いまおもいだしてもドキドキするくらいうれしくておいしいとくべつなおべんとうでした。


もし、かみさまにおねがいができるなら、
もういちどおとうさんと、おかあさんと、ぼくといもうととみんなでくらしたいです。

でもおとうさんは、いつも空の上からぼくたちをみまもってくれています。


おとうさんがいなくて、さみしいけれど、
ぼくがかぞくの中で一人の男の子だから、
おとうさんのかわりに、おかあさんといもうとをまもっていきます。
おとうさんのおべんとうばこでしっかりごはんをたべて、もっともっとつよくて、やさしい男の子になります。


おとうさん、おべんとうばこをかしてくれてありがとうございます。


ゆきのり君7歳の作文より。


【出典】

本のご紹介です。DVD付ストレッチ大全

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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こんにちは!活字中毒のモモちゃんです。
義母は健康マニア。

昨年はバランスボール、一昨年は何やらチューブを引っ張って
いた。その前は金魚運動だったり、ダンベルを持ち上げてみた
り、とにかくその辺りには隙がない、余念がない。

しかし続いているものはどれ一つとしてなく、しかもその一つ
一つに凝った(?)言い訳があるのでそれなりに楽しんでいる。

バランスボールからは転げ落ちそうになった。ダンベルを足に
落としかけて危なかった。チューブは、とにかく面倒なのよ!

どれもこれも、グッズにではなく、義母自身に問題があるのを、
いつ指摘しようかと迷っている。できそうにはないけど。

まあ、義母の世代にとっちゃあ、健康も一つの娯楽なんだろう
なと割り切っている。娯楽ならいいのだ。どんどん消費すれば。


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本日は ◆さわやか、スポーツ系

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DVD付ストレッチ大全  有賀 誠司
¥ 1,418  成美堂出版 (2010/02)

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というわけで、世間話のついでに健康ネタを振ってみたら、この
本と「NHKストレッチ」が送られてきた。NHKストレッチというの
もDVD本で、お値段はけっこう張る。

しかし小金を持っている世代だし、とかく健康に使う金は惜しく
ないという風なので、ありがたく受け取ってどちらも一通り試し
てみた。

そんで、気に入ったのがこちらだ。道具を使わなくていい。寝転
んで、もしくは壁に手をついて、いすなど、使うストレッチが少
ないのが私にはうれしい。

DVDで先生のお手本を見ながらストレッチができる。ありがたいこ
とに左右両方、きっちりその時間運動をしてくれるので、声にあ
わせ、画面を見ながらストレスなく体を動かすことができる。

メニューもいろいろ。朝夕のストレッチ、部位別、悩み別(肩こ
り、腰痛など)、体幹を鍛える運動、有酸素運動、体全体のスト
レッチなど、好きなところから再生して使えるのがまた便利だ。

運動時間は10分程度、気負わずにできるところもまた素晴らしい。

本日は基本のストレッチ、全身を伸ばす運動を簡単にご紹介して
みたい。

お尻のストレッチ。仰向けに寝転んで片方の足を曲げ、腕で抱え
る。左右10秒ずつ。

横腹。寝転んで体をひねり、片方の足を、反対の足をまたいで向
こう側の床につける。膝を手で押さえ、わき腹を伸ばすように。

足の付け根。立って四つんばいのような格好に。そのまま足を前
後に開き、上半身を前に傾ける。後ろの足は伸ばしたまま、太も
もの前の筋肉にストレッチを感じる。

太ももの内側。お相撲さんがよくやる、股割りの要領で。

太ももの前。座って片膝を曲げ、状態を後ろへ倒す。気持ちのい
いところで止めること。

胸を開く。壁際に並行して立ち、片方の手を壁に当てて後ろに伸
ばす。腕の付け根のストレッチ。

背中の横、脇。壁に向かって立ち、両手を壁について背中を曲げ
る。体を九十度に曲げ、壁を押す感じ。

ひじから手首。手を前に伸ばし、手の平を外側に向ける。反対の
手で手の平を押さえ、腕の内側の筋肉を伸ばす。

肩甲骨の内側。両手の平を合わせた状態で、手を体の前に伸ばす。
首を内側に入れ、肩甲骨が伸びる感じを。

首の横、後ろ。首を横に曲げる。左に曲げる場合は右の手を、背
中の後ろで左手で引っ張ってやるとよりストレッチを感じること
ができる。

首の後ろ。仰向けに寝て首を抱え、頭を起こすような感じでスト
レッチ。


DVDのお手本では、先生が同じ動きをしてくださるので流れるよ
うについていくことができる。私程度ができるのだから、難易度
もそう高くはないと言ってもいい、と思う。

10分程度の動きだけど、やってみると案外気持ちがすっきりする
よ。肩こりのストレッチなどは、職場でもできそうなものがある。

ちなみに義母はやっていないそうなので、年末に帰ったら、これ
は太鼓判を押してあげなければと考えている。

くれた人に対して、太鼓判を押すというのも不思議で妙なものな
のだけど、これが現実なのだから仕方がない。おかしなものだ。

本日ご紹介の本はこちらから

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

すごいことをすごく見せるのではなく、

当り前のことをすごくこなせるようになりたい。

今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月6日月曜日

本のご紹介です。できそこないの知

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆芸能、エンタメ系

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できそこないの知  ウエンツ 瑛士
¥ 1,575  青志社 (2010/10)

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若いのに。

タレントのウエンツ瑛士さんのエッセイ本。中堅サラリーマンが
飲み屋で部下に語る人生訓みたいな感じだった。

・手紙を書こう

本書で彼が一番読者におすすめしたいことがこれ。メールではな
く、手紙を書くということ。

彼が手紙を出すのは、事務所の人、年配の人、地方の友達。内容
はお礼であることが多い。

「拝啓」と書き出して、しかし「すみません、このような手紙は
自分にはまだ書けません。ここから先は自分らしく書かせていた
だきます」と、ちょっとした笑いをいれる。二十代半ばの若者ら
しいおふざけをこのようにして演出する。

それでも、相手は感激してくれる。特に年配の人に出すと評価が
上がることは間違いない。へたくそな字でも、難しいことは書け
なくても、メールではなく手紙を書こう。

・人脈は広げるよりも切る

携帯に登録している電話番号やアドレスは、人よりも少ないと思
う。連絡がなくなったらばっさばさ、削除していくからだ。

使える時間は限られている。大切な相手と、親密な関係を築いた
方がよいと考えている。

もともと、やりたいことがあったら一人でも動き出すタイプだ。
交友関係でなんとかしようとは考えない。人付き合いに損得勘定
は差し挟まないし、本気でがんばっていれば応援してくれる人が
集まってくると信じている。

いい人の周りにはいい人が集まってくる。だから、嫌な人とは無
理につきあわず、いい人の近くにいようと努めている。

・自分はどんな人間か、よりも、何を求められているか、を知る。

ウエンツさんは自分のことをこう考えている。ものすごく面白い
ことを言えるか、否、自分は面白い人間ではない。ではアイドル
と呼べるのか、否、相方の小池徹平さんには到底かなわない。

カリスマと呼べる魅力がない。ではどうやって仕事に向き合えば
いいのか。

彼が最優先とするのは「自分に何が求められているか」だ。自分
はこうだから、と固定概念を持たないようにしている。

やりたくないな、と思った仕事でも、一生懸命取り組んでみる。
すると意外な一面があることが知れる。与えられたことをチャン
スと考え、無駄にせず自分のものにするのが大切である。


話し言葉で書いてあるので気楽に読める。

この方、小さいころから芸能界でお仕事をされているんだよね。
さすがさすが、達観してるわあ、と少しばかりのほほえましさを
覚えながら読みすすめることができる。

ウエンツさんはおうちでたくさんの植物を育てておいでなのだそ
うだ。観葉植物や、トマトなどの実のなる植物もあり、その世話
だけで軽く一時間はかかってしまうんだって。

そのために毎朝早起きをして、せっせと水やりなんかに励んでい
る。規則正しい生活、朝の時間を活用させる生活が一番と考えて
いるようだ。

若いのに、偉いねえ。

ファンの方ならぜひ。そうでない方も、肩の力を抜いて読んでみ
れば、案外とためになることも多いかも。

できそこないの知  ウエンツ 瑛士

No.378 中村文則「掏摸」→ 4点

中村 文則「掏摸」→ 4点
発行元 :株式会社河出書房新社
初版発行:2009/10/30
中村 文則(ナカムラ フミノリ)

あらすじ

この世のほとんどに居心地の悪さを感じている僕は、同時にこの世のほとんど
から拒絶されて今まで生きてきた。
抑圧された憎しみをぶつけるように僕は金持ちの財布を抜き取り続けるのだが、
それは僕が社会とつながりを持つための唯一の方法でもあった。

掏摸として生きる僕のどこにも辿り着けない毎日と、ふと気付けばどっぷりと
取り込まれていた暗黒の世界を描く。

コメント

中村氏の描く世界には、いつも色がない。
黒とグレーばかりの陰鬱な世界だ。
過去に読んだ2冊−「土の中の子供」と「何もかも憂鬱な夜に」は正に暗黒世界
というか、どっちを向いてもどっぷりと暗い世界が鬱々と広がっているばかりで、
正直読んでいて不愉快だったし詰まらなかった。

本作ではしかし、要所要所で「一瞬の白」が効果的に配置されていて、そのコン
トラストが実に素晴らしかった。
中村氏の作品を読むのはこれで3作目だが、エンタテイメントという意味におい
ては初めて読む価値のある作品だと思った。

異端の感性をもつ中村氏が、作家として一皮向けた記念碑的な作品ではないだろ
うか。
全2作を読んだ時には「こんな話しばっかりだったらもう読みたくないな」と思っ
たが、今の気持ちは「はやく次作がみたい!」という感じ。

ちなみに「塔」のイメージについてはほとんど「ベルセルク」のグリフィスと同じ
ですな。

中村 文則「掏摸」



0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

自信があるからやるんじゃない。

やるから自信がつくんだ。

今日も一日味わいつくしましょう。