2010年12月6日月曜日

本のご紹介です。できそこないの知

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆芸能、エンタメ系

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できそこないの知  ウエンツ 瑛士
¥ 1,575  青志社 (2010/10)

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若いのに。

タレントのウエンツ瑛士さんのエッセイ本。中堅サラリーマンが
飲み屋で部下に語る人生訓みたいな感じだった。

・手紙を書こう

本書で彼が一番読者におすすめしたいことがこれ。メールではな
く、手紙を書くということ。

彼が手紙を出すのは、事務所の人、年配の人、地方の友達。内容
はお礼であることが多い。

「拝啓」と書き出して、しかし「すみません、このような手紙は
自分にはまだ書けません。ここから先は自分らしく書かせていた
だきます」と、ちょっとした笑いをいれる。二十代半ばの若者ら
しいおふざけをこのようにして演出する。

それでも、相手は感激してくれる。特に年配の人に出すと評価が
上がることは間違いない。へたくそな字でも、難しいことは書け
なくても、メールではなく手紙を書こう。

・人脈は広げるよりも切る

携帯に登録している電話番号やアドレスは、人よりも少ないと思
う。連絡がなくなったらばっさばさ、削除していくからだ。

使える時間は限られている。大切な相手と、親密な関係を築いた
方がよいと考えている。

もともと、やりたいことがあったら一人でも動き出すタイプだ。
交友関係でなんとかしようとは考えない。人付き合いに損得勘定
は差し挟まないし、本気でがんばっていれば応援してくれる人が
集まってくると信じている。

いい人の周りにはいい人が集まってくる。だから、嫌な人とは無
理につきあわず、いい人の近くにいようと努めている。

・自分はどんな人間か、よりも、何を求められているか、を知る。

ウエンツさんは自分のことをこう考えている。ものすごく面白い
ことを言えるか、否、自分は面白い人間ではない。ではアイドル
と呼べるのか、否、相方の小池徹平さんには到底かなわない。

カリスマと呼べる魅力がない。ではどうやって仕事に向き合えば
いいのか。

彼が最優先とするのは「自分に何が求められているか」だ。自分
はこうだから、と固定概念を持たないようにしている。

やりたくないな、と思った仕事でも、一生懸命取り組んでみる。
すると意外な一面があることが知れる。与えられたことをチャン
スと考え、無駄にせず自分のものにするのが大切である。


話し言葉で書いてあるので気楽に読める。

この方、小さいころから芸能界でお仕事をされているんだよね。
さすがさすが、達観してるわあ、と少しばかりのほほえましさを
覚えながら読みすすめることができる。

ウエンツさんはおうちでたくさんの植物を育てておいでなのだそ
うだ。観葉植物や、トマトなどの実のなる植物もあり、その世話
だけで軽く一時間はかかってしまうんだって。

そのために毎朝早起きをして、せっせと水やりなんかに励んでい
る。規則正しい生活、朝の時間を活用させる生活が一番と考えて
いるようだ。

若いのに、偉いねえ。

ファンの方ならぜひ。そうでない方も、肩の力を抜いて読んでみ
れば、案外とためになることも多いかも。

できそこないの知  ウエンツ 瑛士

No.378 中村文則「掏摸」→ 4点

中村 文則「掏摸」→ 4点
発行元 :株式会社河出書房新社
初版発行:2009/10/30
中村 文則(ナカムラ フミノリ)

あらすじ

この世のほとんどに居心地の悪さを感じている僕は、同時にこの世のほとんど
から拒絶されて今まで生きてきた。
抑圧された憎しみをぶつけるように僕は金持ちの財布を抜き取り続けるのだが、
それは僕が社会とつながりを持つための唯一の方法でもあった。

掏摸として生きる僕のどこにも辿り着けない毎日と、ふと気付けばどっぷりと
取り込まれていた暗黒の世界を描く。

コメント

中村氏の描く世界には、いつも色がない。
黒とグレーばかりの陰鬱な世界だ。
過去に読んだ2冊−「土の中の子供」と「何もかも憂鬱な夜に」は正に暗黒世界
というか、どっちを向いてもどっぷりと暗い世界が鬱々と広がっているばかりで、
正直読んでいて不愉快だったし詰まらなかった。

本作ではしかし、要所要所で「一瞬の白」が効果的に配置されていて、そのコン
トラストが実に素晴らしかった。
中村氏の作品を読むのはこれで3作目だが、エンタテイメントという意味におい
ては初めて読む価値のある作品だと思った。

異端の感性をもつ中村氏が、作家として一皮向けた記念碑的な作品ではないだろ
うか。
全2作を読んだ時には「こんな話しばっかりだったらもう読みたくないな」と思っ
たが、今の気持ちは「はやく次作がみたい!」という感じ。

ちなみに「塔」のイメージについてはほとんど「ベルセルク」のグリフィスと同じ
ですな。

中村 文則「掏摸」



0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

自信があるからやるんじゃない。

やるから自信がつくんだ。

今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月5日日曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

ワクワクという言葉を考えた人はすごい。

言うだけでワクワクしてくる。

週刊 お奨め本 第423号『刀圭』

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週刊 お奨め本
2010年12月5日発行 第423号
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『刀圭』 中島要
¥1,500+税 光文社 2010/9/25発行
ISBN978-4-334-92730-1
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薬を盛るために使う匙を別名「刀圭」と呼ぶ。
古代中国の貨幣の下端にある孔を「圭」といい、その孔の大きさが薬を量る基準
であったことから生まれた言葉である。

──お前はゆるぎなき「圭」となれ。そこが狂えば、薬も毒になりうるのだぞ。

亡父の言葉を胸に、井坂圭吾は貧乏長屋で医者をしている。
父も貧民救済の医者だった。


ということで、「赤ひげ」系、時代小説。
江戸の貧乏長屋で、ろくに金を取らずに治療に当たる、若い医者。長崎帰りで本
道だけでなく外科の心得もある。
貧しい人々から頼りにされ、それを誇りに感じている。

ヒューマンドラマです。
出だしは。

そんな単純な話ではいまどきの読者は満足しません。
特に発行人のようなひねくれ者は(笑)。


井坂圭吾の父は、「慈悲仏」とまで呼ばれた医者だった。
父の背を見て育ち、誇りに思う圭吾は、当然のごとく、医者を志す。
ところが、阿蘭陀医学を学ぶための長崎遊学も五年が過ぎた頃、父が酒に溺れて
いるとの連絡を受ける。
信じがたい思いで急ぎ江戸へ戻ったときには、父はすで亡くなっていた。…


その頃、タキは貧乏長屋で父と二人で暮らしていた。
長患いの父は、娘に迷惑ばかりかける我が身を疎んじ、鼠捕りを飲んだ。タキは
医者を呼びに走るが、貧乏長屋へは医者は来てくれない。「身の程をわきまえろ」
あからさまに見下されたタキの、「あんたたちは医者なんだろ! 病人を助ける
のが仕事じゃないか!」声を、圭吾が聞きつける。
娘の長屋へついていって治療に当たった圭吾は、そのまま長屋に居つき…。


タキと、しっかり者の隣人おしまの尽力で、開業にこぎつけた圭吾。
満足に薬礼が期待できない貧乏人相手では、薬種問屋に代金を払う当てもない。
あちこち回った挙句、融通のきく、ある時払いをきいてくれる薬種問屋「千歳屋」
をみつけた。


齢二十三にして天涯孤独、しかも敬愛する父の死に目に立ち会えなかったせいで、
圭吾は親不孝者が大嫌いだ。
ところが、世話になっている千歳屋には放蕩息子がいる。幼い頃から病弱で、「お
前は生きているだけでいいんだよ」と言われつづけて育った生三郎は、吉原がよい
で月に何百両と散財する。それだけでも業腹なのに、生三郎の敵娼の花魁が「たか
が医者の分際でえらそうに」とケンカを売ってくる。
ついには生三郎を怒らせ、千歳屋との取引が止められてしまった。


それまで圭吾を頼りにしてきた患者たちは、圭吾が千歳屋の跡取りを怒らせたせい
で薬をもらえなくなったことで、圭吾を責める。
──あたしら貧乏人のために下げる頭はないってことだろ。
貧乏人を救いたいなら、金持ちにへつらうことは避けられない。何事も金主あって
の世の中なのだ。


圭吾の胸に迷いが生じる。
いったい何のために、私は治療を続けるのだろう。
患者が頭を下げるのは、ただで薬をもらえるからだ。

> 「人が頭を下げるのはお金をもらうためだもの。タダで治療をしてやれば、いつ
> でも威張っていられてさぞ気分がいいでしょうけど」(141頁)

「赤ひげ」でも、貧乏人からは金を取らなくても、金持ちからは高額の謝礼をも
らう。入金の当てがなくては施しはできない。そこんところをちゃんと段取りで
きないところが、青二才。
という、理想と現実のあいだで煩悶する若者を描いているわけで、古今東西、い
つの世も若者が陥りがちな罠ではあります。それを青春だとまぶしく感じるか、
青臭いと苦々しく感じるかは読み手次第。


物語はこの後、永代橋崩落事故(文化四年)を絡ませ、出奔した父の後妻やら千
歳屋の番頭の画策やらケチ衛門やら幇間の善八やら、なにやらかやらと圭吾はふ
りまわされていくわけですが…。


> 崩落事故の始末を終えると、圭吾は再び医者として診察を始めた。[…]
> 問答無用の生死の境を垣間見たことで、圭吾は己の悩みがいかに卑小かを思い
> 知った。(164頁)


青年は挫折を経て、成長する。


これが長編デビュー作という中島要。
新人にしてはしっかりした構成力で、読ませます。
期待の新人といえましょう。


『刀圭』 中島要

2010年12月4日土曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

何を迷っていたのだろう。

何に怯えていたのだろう。

ただ、目の前のことに集中すればいいだけなのに。

今日も一日味わいつくしましょう。

2010年12月3日金曜日

こんな本読んだよ!1012030238

『みぽりんのえくぼ』岡田典子・文/岡田美穂・絵 文芸社

13才という若さで天国へ旅立っていったみぽりんの闘病記。お母さんの文章とみぽりんの絵で構成されている。お父さんからプレゼントされた絵手紙セットで描かれたもの。これがなかなか味がある。
2才で白血病を患う。骨髄移植で病気を克服するも12才で脳腫瘍が見つかる。写真も掲載されているが、本当にかわいらしい女の子。こんな子がなぜ、と言いたくなった。
病気で苦しんでいる人は多い。一日も早い医学の進歩を望みたい。

みぽりんのえくぼ

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

事象がつまらないのではなく、

自分の見方や考え方がつまらないんだ。

今日も一日味わいつくしましょう。

本のご紹介です。NASAより宇宙に近い町工場

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆ビジネス、営業系

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NASAより宇宙に近い町工場  植松 努
¥ 1,365  ディスカヴァー・トゥエンティワン (2009/11/5)

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北海道の赤平市、富良野や夕張が近いその町に、植松電機という
会社がある。社員は二十名、パワーショベルを作るのがその「本
業」だ。

しかしその会社が有名なのは、そこが宇宙を目指しているからで
ある。宇宙だ。失礼な言い草だけど、日本の小さな町工場が、な
んとあのNASAからも注目される研究を行っているのだという。し
かも自費で。

植松電機ではロケットが作られている。人工衛星も作った。世界
に三つしかない無重力実験施設の一つが、この会社に存在する。

ものすごいことなんだけど、さらに驚かされるのが社長の植松さ
んのお言葉だ。彼は言う。この事業は金を設けるためのものでは
ない、と。

ではなぜそんなことをしているのか。答えは「この世から『どう
せ無理』という言葉をなくすため」だ。あきらめる人、やれっこ
ないよと言う人に、「そんなことあるものか」と立ち向かうのが
植松さんという人だ。

小さいころから好きなことばかりをして過ごしてきた。学校の成
績はよくなかったが、大人になった今、それが大いに役に立って
いる。

ペーパークラフトで飛行機を作った。大きくなってから、植松さ
んは飛行機を作る会社に就職したが、そのことは決して無駄に
なってはいなかった。

子供達がやりたいこと、好きなことを認めて伸ばしてあげたいと
思う。大人が無理やりやらせることではなくて、本当に好きなこ
とに没頭し、熱中すれば夢はかなうのだと教えてあげたい。

宇宙開発も、最初は無理だと言われていた。植松電機が作ってい
るのは「爆発しない」ロケットだ。

ロケットの打ち上げが危険なのは、引火すれば爆発する燃料を
使っているからだ。だが植松電機が北大の教授と共同開発した燃
料は、ポリエチレンを材料とする安全性の高いもの。

家の近くでも打ち上げが可能だし、近づいて見ることだってでき
るのである。

人工衛星を作ったときのエピソードが面白い。ある人から「真空
中で動くのか?実験もできないだろう」と言われた。

真空中で実験するには国の施設を借りなければならない。レンタ
ル料が一日600万円もかかる。

払えるわけがないだろうと、植松さんは自社でその施設を開発す
ることにした。ロケット自体は小さいのだし、施設も小さくてい
いやと思って作ったら、廃材を利用して20万円でできてしまった。

そして実験は成功。何事も工夫ありき、あきらめたら終わりだと
考えている。

植松電機にはたくさんの子供達が見学に来るのだそうだ。その中
に、学習障害だといわれている子供達がいた。彼らは熱心に工場
を見学し、興味を抱き、あげられた質問の手は「普通の」子たち
よりも多かった。

植松さんご自身が、優等生でなかったせいもある。あの子達の何
が悪いのかと真摯に悩んでしまった。社員達も泣き出してしまい
「あの子達が異常なら、俺も異常だ」「ほかの子の邪魔になるか
らと排除して、その親達がどんな辛い思いをしているか」と、疑
問を口にした。

一律に、型にはめてしまうことが教育ではないはず。やれっこな
い、どうせだめと決め付けるのは間違っている。

植松さんは今、建築費が格段に安くなる家を作ろうとしている。
そのために借金を負ったが、居住費が安くなって、親に余裕がで
き、子供達ときちんと向き合える未来を作りたいと考えている。


ロケットって、ホームセンターで売ってる材料で作れるんだって。
知らなかった。やろうと思えばできるものなんだねえ。

字が大きく、話し言葉で文章もやさしいので、小学校高学年くら
いのお子さんから十分に読めるのではないかと思う。読む本に
迷ったらぜひ。

もちろん大人が読んでもいい。夢をあきらめない、工夫し続ける。
シンプルだけど熱い主張に、きっと元気になれるはず。



本日ご紹介の本はこちらから

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●なんとなく、この本を読みたくなった。
変人と言っても過言ではない、情熱あふれる科学者列伝。

人類の進化は、愛すべき変人たちによってもたらされたもの。
異質を排除する社会ではいけない……、けど、真似はできん
なあ(笑) 

自分の体で実験したい─命がけの科学者列伝

2010年12月2日木曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

がんばりたいと思わない限り、

がんばらないほうがいいと思う。

今日も一日味わいつくしましょう。

本のご紹介です。仕事にすぐ効く 魔法の文房具

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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仕事にすぐ効く 魔法の文房具  土橋 正
¥ 1,680  東京書籍 (2010/6/23)

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発想、記録、整理、事務作業、ツール。それぞれの分野で使いや
すい文房具を紹介したもの。写真にがっつりコラムつきで、文房
具好きな人には非常に楽しめる一冊。

発想の章では筆記具が紹介されていた。鉛筆を収納できる、短い
鉛筆を長く使うことができるブラスペンシル。たった5ミリの芯の
中にシャープペンとボールペン、二種類の機能を備えているパイ
ロット・バーディスイッチ。

万年筆、サインペンの紹介もあるが、私がいいなと思ったのは手
帳にはさめる小さいサイズのペンだ。ゼブラのSL-F1Mini。8ミリ
ちょっと、手帳にジャストサイズのペンだが、11ミリに伸ばして
使うこともできる。

手帳にメモするだけでなく、普通の書き物にも使えるのがいいね。

記録の章、ここではふせんやノートなど、アイディアを生かすた
めの道具が案内されている。

ハックノート。裏表紙が観音開きになっており、あらかじめ付箋
を貼り付けておくスペースが用意されている。ここはアイディア
ボードと呼ばれ、思いついたことを付箋にメモして貼り付けてお
く場所になっている。

作業中、ひらめいたことをメモにとったはいいものの、書いた場
所を忘れてしまうことはないだろうか。このアイディアボードに
付箋で貼っておけば、探す手間が省け、ひらめきを有効に使える
のである。

付箋にもいろんな種類があって、かわいらしい草の形をしたもの
がある。本など、気になる場所にこの付箋を貼っていくと、閉じ
たとき、本から草が生えているように見える。

ユルリクのグリーンマーカー。弁当に入っているバランのような
付箋だ。

ノートを選ぶときは、スキャンすることも念頭においておきたい
もの。保存するメモ帳abrAsusは、縦11センチ、横8センチの本皮
仕様の文房具。

このしっかりしたファイル(?)のようなものにA4コピー用紙を
折りたたんではさむ。広げてメモを取ることができ、さらに外し
てスキャンすることができる。

エバーノートという、メモをオンラインで見られるソフトを使え
ば様々な場所でアイディアを整理することができる。PCでも携帯
でも、スマートフォンでも使えるので便利。

3章め、整理の項目ではスケジュール管理の仕方について書かれて
いる。スケジュールは基本、カレンダーを模した手帳に書くのが
お好きなのだそうだ。

月曜始まりのマンスリータイプ、これにシャープペンで予定を書
きこんでいく。消して調整できるのがいい。

大切な予定にはエーワン・ポータブル蛍光テープを貼って目立つ
ようにする。必要なページを開くためにははさむしおりを利用す
る。ブックダーツ、メタル製のクリップが気にいている。

はさむといえば面白いものが一つあった。月光荘の右手クリップ
だ。アマゾンで見つからず、写真をお見せできないのが残念なの
だけど、この発想やよし!の一品。

針金を右手の形に折り曲げただけの文房具である。何に使うのか
といえば、紙を挟む、しおり代わりとして利用するものらしい。

著者はこれを、着手したプロジェクトのファイルのはしに挟んで
いる。まさに手をつけたというわけ。

事務作業の章では郵便物の重さを量るポストマン100、ガムテー
プをストレスなしで切れるはさみ、エアロフィットなどが紹介さ
れている。

エアロフィット、ガムテープの粘着を気にしなくていいらしいか
ら、よく使う人には便利かもね。

最後辺りに乗っているスイステック・ユーティリキーはユニーク
な文房具だ。

鍵の形をしているマルチツールで、ナイフ、のこぎり、ドライ
バーなどの機能を備えている。万能ナイフが鍵の形をしている物
だ。


個人的にはユーティリキーが一番ほしいかも。使うことはないと
わかっているが、やはりこういうのは好きだ。


本日ご紹介の本はこちらから

2010年12月1日水曜日

本のご紹介です。アフリカ 動きだす9億人市場

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆世間話、時事ネタ系

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アフリカ 動きだす9億人市場  ヴィジャイ マハジャン
¥ 2,310  英治出版 (2009/7/14)

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著者のヴィジャイさんは大学教授。アメリカの大学で経営学を教
えている。インドの生まれ、商人の家庭で育った。

10年か20年前、同僚に「インドは世界的にも重要な市場になる」
と言って笑われた。だが現在、その言葉を疑う者は一人もいない。

ではアフリカはどうだ? ワールドカップが開かれたとはいえ、
未だ暗黒の大陸、戦争と飢餓の土地のイメージを持つ人が多いの
ではないだろうか。

著者はその目で確かめるべく、アフリカに渡り現地を歩いた。本
書はそのレポートである。実例、エピソードが多いので素人が読
んでも飽きない、わかりやすい。

もちろん数字や統計、難しいこともちゃんと書かれているのだけ
ど、本日このメルマガでは、印象深かったいくつかのエピソード
を取り上げてご紹介してみたいと思う。

・ブラックダイヤモンドなる層が現れている。「もう少しで中流」
というのが彼らの自己評価だ。懸命に働いて子供達にいい教育を
受けさせようとしている。家電、携帯電話などを買うのがこの層だ。

携帯電話をほしがる人、持つ人が増えている。中には友人数人で
一台の電話を共有している例もある。電話器を一台購入し、使用
するときは各自のSIMカードを入れて使う。

携帯電話を貸す「事業」もある。通話時間に応じて料金が課される。

・アフリカには9億人の市場がある。若年層が多く、しかも年々増
加している。幼児、子供向けの商売の機会があふれている。イン
フラも弱く、その需要は巨大である。

金融関連の伸びも期待される。未だ全家庭の20パーセントほどしか
口座を持っておらず、欧米各国の銀行はこれを狙っている。もちろ
んアフリカの銀行も着実に成長しており、国を超えてのサービスが
受けられるものもある。

金融機関では、携帯電話の画面で操作ができる電子マネーを取り入
れるところがある。近くにATMや営業所がなくても利用できるた
め便利で、多くの人に受け入れられている。

・欧米企業はアフリカの文化、宗教に即した商売を展開している、
取り組んでいる。たとえばP&Gは、イスラム諸国の女性が髪の悩
みを持っていることに目をつけた。

ヘッドカバーをかぶっているので、汗をかきやすく、髪が傷みがち
になる。洗浄力の強いシャンプーを売り出してヒットした。

また「小分け作戦」も有効な手段である。たとえば石鹸、洗剤など、
貧困層はまとめて買うことができない。計り売りが伝統としてある
地域でもある。

なじんでもらうために洗剤を小袋に分けて売り、暮らしの中に浸透
させようとしている。

・チーター世代と呼ばれる若い世代の台頭がまぶしい。年配の人た
ちが唱えるのは貧困、帝国主義への反対である。だが若い人たちは
経済発展を純粋に追い求め、親の世代からの期待もその肩に担って
いる。親世代はこの子供達にいい教育を受けさせようと必死だ。

・映画はノリウッドで生み出される。ナイジェリアの映画産業をこ
う呼んでいるのだ。

安い予算で多くの映画が作られる。就労人口は100万人を越え、同
国では農業に次ぐ大規模産業である。質が良いとはまだ言えない状
況であるが、続々とスタジオが建てられている、今後が楽しみな産
業である。

・在外アフリカ人も今後の起爆剤になると考えられている。たとえ
ばアメリカで、ケニア産の紅茶を売る女性がいる。スターバックス
などにもかけあい、故国の産業を盛り上げようとがんばっている。

社会問題などにも関心があるこの人たちが、アフリカと世界とをつ
なげようと試み、奮闘している。


興味深かったのは欧米企業と中国の動きだ。

中国は安い製品をアフリカで売り、その暮らしの中にメイドイン
チャイナを浸透させつつある。

また同時に、欧米企業は社会福祉にも取り組みながら、やはりその
ブランドをアフリカに構築しようとしている。子育て支援の動きと
ともに、ミルクを売るなどの企業活動をしている。

マラリアの薬を一部無料で配り、そのよさを知らしめるなどの手法
もとられている。

パワー溢れる一冊。字が小さくて活字だらけで、開くと「うっ」と
なりがちだけれども、書いてあることはとても面白い、生き生きし
ている。

興味のある方には安心しておすすめできる、なかなかの良書である。

アフリカ 動きだす9億人市場

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

時代の変化に合わせて自分も変化していくか、

時代に関係なく通用する強烈な何かを身につけるか、

生き残るには、このどちらかを選択しなければならない。


今日も一日味わいつくしましょう。

2010年11月30日火曜日

本のご紹介です。野宿入門

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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こんにちは!活字中毒のモモちゃんです。
アルプスの少女ハイジが、絶対的な憧れだったんだ。

干草のベッド。あれも夢だったなあ。刈り入れの済んだ田んぼ
の藁に寝ようとして、どえらい勢いで叱られたことがある。
せっかく片付けたものを散らかすなということだった。

草の上に寝転んで、服をシミだらけにして戻り、これもひどく
怒鳴られたこともああった。

現実の厳しさを、幼いながらに知らされた瞬間だ。こうして人
はテレビの世界と現実の違いを知っていくのだと思った。

そういえば校庭のブランコで、ハイジを真似て180度水平にこ
ぐことを試した友達もいたな。

その子は叱られる前に、怖くなって泣きながら下りてきたけど。


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本日は ◆世間話、時事ネタ系

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野宿入門  かとうちあき
¥ 1,050  草思社 (2010/9/23)

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世界は広い。世の中にはいろんな人がいると、つくづく実感させ
られた本だった。

著者のかとうさんは野宿をこよなく愛している。難しいことでは
ない。ふらりと寝袋を持って、ときには段ボールにもぐって、外
で眠ることを自由自在に行っている。

そもそもかとうさんが野宿をしたいと思い立ったのは高校生のと
きだ。その頃彼女には「野宿=青春、今しかできないことであり、
やってみるしか仕方がないのではないか」という、焦れるような
思いがあったのだそうだ。

で、やってみた。意外と簡単だった。以後野宿の楽しさにはまり、
社会人となった今でも寝袋を片手に旅に出ることを続けている。

かとうさんは考えている。「寝袋の所有は大人のしるし」

寝袋は大いに役に立つものだ。友達が不意に訪ねてきたときにも、
予備の布団として使うことができる。それにいつなんどき、外で
眠る用が生まれるやもしれぬ。

寝袋があればあわてずに済む。緊急時の備えなのだから、社会人
になった証として、初任給で手に入れるくらいの心がまえがあっ
てもよいのではないか。

しかし、だ。寝袋がなくとも野宿はできるのだ。

先にも述べたが、かとうさんは野宿が特別なことだとは考えてい
ない。終電を逃したとき、酔っ払ってうちに帰るのがおっくうな
とき、外でごろんと寝てしまえばそれで野宿は成立してしまう。

大げさな準備をする必要はない。

都会ならしたくは簡単に整えることができる。新聞紙を拾って敷
いて、そこで寝転べばそれでよい。ぐしゃっと丸めて服の中につ
めると意外とこれが暖かい。

段ボールをコンビニでもらうのも一つの手だ。なるべく大きなも
のをもらい、いくつか連結させると立派な寝床になる。もぐりこ
んで入り口を閉じれば安心して眠ることができる。

かとうさんは一度、知り合った男性とこの段ボール野宿をしたこ
とがあるのだそうだ。終電を逃してなんとなく段ボールに寝転び、
すると不思議な親しみが彼との間に生まれてしまった。野宿は恋
のはじまりになることもある。

野宿は簡単。だが眠りやすい場所を選ぶのも大切なことである。

できればトイレは確保しておきたい。公園や駅、用を足したいと
きにトイレがそばにある場所を選びたいものだ。最近の野宿愛好
家たちは、道の駅などもよく利用しているようだ。

(ちなみにトイレの中で眠るのも一つの選択肢であるのだそうだ
が、なかなか大変そうに思える。しかし、鍵がかかる安心感は格
別なものだあるのだとか。いずれにせよワイルドやわあ)

警察の職務質問にあうこともある。そこは一つ、余裕と、堂々と
した態度で乗り切りたいものだ。おまわりさんも人の子。話せば
わかってくれると信じよう。

野宿の旅は不思議な人との出会いを呼び寄せることがある。駅で
眠っていた著者に、つらつらと己の境遇を語った男性がある。四
国のお遍路さんの道で、見ず知らずの若い男性を弟子と連れて歩
くオジサンにも会った。

ちなみにこのオジサンには、寝袋にブルーシートを巻くワザを伝
授してもらった。これを巻くと、暖かさが逃げずに朝までぐっす
り眠れるのだそうだ。


入門とあるがハウツー本ではない。だが考えてみれば、確かに野
宿は難しいことはない。ハウツーなんかいらんと、著者は考えて
いるのだろう。常識を飛び越えるはずみとか、そういうものを与
えてくれる本だった。

とはいえ、真似はできないかなあとも思うよ。思いながらも、な
んとなく妙な開放感や自由ってものを味わうことができた。

こういう気持ちになれるから、本ってありがたいんだよなあ。か
とうさんの体験に便乗させてもらって、ちょっぴりどきどき、冒
険気分を味わえた。楽しかった。


本日ご紹介の本はこちらから

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双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

教えることが最大の学びである。


今日も一日味わいつくしましょう。

2010年11月29日月曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

傷つけてくる人を責める時間があれば、

傷つかないように自分を進化させた方が、

圧倒卯的に効率的だ。


今日も一日味わいつくしましょう。

No.377 斧田のびる「ヒデブー」→ 3.5点

斧田 のびる「ヒデブー」→ 3.5点
発行元 :株式会社小学館
初版発行:2008/2/25
斧田 のびる(オノダ ノビル)

あらすじ

ヒデブーはデブだが、ハンサムなデブだった。
焼肉の聖地大阪鶴橋の名店ホルモン屋で育ち、ほぼ毎日豚足とキムチを食べて
いるから肌はゆで卵のようにツルツルプリプリだし、目も鋭い二重だし、何し
ろ口元が品良くきゅっと締まっていて格好よいのだ。

ヒデブーは毎日美味しいホルモンを好きなだけ食べてシアワセに育っていたが、
20歳の誕生日を迎えたあたりからなんだか少し元気がなくなってきた。
相変わらずホルモンもキムチも美味いし食べればシアワセなのだが、それだけ
が人生の全てであってはいけないような気がしてきたのだ。

ヒデブーはある日通天閣に上り、そこでふと決意した。
そうだ、旅に出よう!そしてヒデブーは、長距離バスに乗って東京へと向かった。
はてさて、ヒデブーの東京生活はどうなるのか。。
第二回きらら文学賞受賞作品。

コメント

平野啓一郎とか小田雅久仁とか、難しくて気疲れする小説が続いて疲れたので
ちょっと気分転換にいかにも軽くて楽しそうな表紙の本書を手に取ってみた。

表紙のイメージどおりにすいすい読め、実に楽しい一冊だった。
ヒデブーの底抜けに明るいキャラクターと、テンポの良い関西弁が読んでいて
何とも心地よい。

明るく楽しく元気良く・・と、言うのは簡単だしこれがまっとうできればそん
なに幸せなことはないのだけれど、ヒデブーの世界では「そんなん当たり前や
ないの」という感じで元気を分けてもらえた。

良く食べ良く飲みよく笑う。
そして迷ったらとにかく行動してみる。
簡単なようで難しいことを、ヒデブーは天然のキャラクターと鶴橋のホルモン
屋で自然に培われた哲学をもって軽々とこなしていく。

そして本書は、「若者が旅に出る」話しでもある。
昔からそうだが、個人的に何がわくわくするって、若者が見ず知らずの世界に
向かって裸一貫で旅に出る話しほど心躍るストーリーはないのだ。

未来少年コナン、深夜特急、イントゥ・ザ・ワイルドなどこのジャンルには心
に残る名作が多い。
現代日本に蔓延している諦念や閉塞感を吹き飛ばすエネルギーと、地に足のつ
いた説得力のある作品。オススメ。
(蛇足:表紙で背景の通天閣が崩壊しているんだけど、本編では一切そんな
シーンはない。あれは一体なんなのでしょうか?)




斧田 のびる「ヒデブー」

了。



0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。

本のご紹介です。正式名称大百科

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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こんにちは!活字中毒のモモちゃんです。
レンチン、なんて言葉が市民権を得つつある今日この頃。

レンジでチンする、の短縮形であるのだそうだ。レシピを紹介
するサイトで見たときはびっくりした。

ちなみに、私ではないのだが、私の小学校時代からの友達は、
「チンして食べる」とはすなわち、仏壇に供えた食べ物を仏さ
まにご挨拶していただく、ということだと考えていた。

仏壇が、その家にはあったんだね。その子の家に行くと、よく
仏壇にあげたお菓子をチンして出してくれたものだった。

これも、昭和の風景なんだろうなあ。


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本日は ◆世間話、時事ネタ系

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正式名称大百科  正式名称 研究会
¥ 1,260  ティー・オーエンタテインメント (2010/9/18)

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黙って読むことができない。へーとかふーとか感嘆歎息、もし万
が一近くに人なんていようものなら、首根っこをひっつかまえて、
「ねえねえ、これ知ってる?」と尋ねたくなってしまう。

物事の正式名称を集めた本。いい企画だな。では、能書きはすっ
とばして、面白いものをずらずらずらりと列挙してみよう!

一番驚いたのは「T路路」が誤りだということだった。正式名称
は「丁字路」。おお、変換も一発、スムーズだ。

ていじろと読む。明治時代に命名されたのだそうだ。理由は、道
路の形状が漢字のそれに似ているため。後、アルファベットが普
及し、Tシャツなどが一般的になったため誤用された。英語と日
本語の、ある意味奇跡とも言えるコラボである。

キャタピラーは無限軌道、軍手は軍用手袋である。プレハブはプ
レファブリケイティッド・ハウス。

UFOは未確認飛行物体。国籍不明のミサイルや飛行機を意味す
る、アメリカ空軍の正式な軍事用語である。

では、日本が誇るインスタント焼きそば、UFOは何の略である
か、皆さんご存知でしょうか? これは実は「うまいソース! 
太い麺! 大きいキャベツ!」を略した言葉であるのだそうだ。

ジーンズの小さいポケットはウォッチポケット。懐中時計を入れ
るためのものである。ラーメン屋さんが使う湯きりの道具はてぼ。
マッチ箱の横の茶色い部分は横薬という。

食パンの袋をとめるプラスチックの道具はバッグ・クロージャー
と呼ばれている。日本では埼玉県の会社一社のみで作られており、
その生産個数は年間およそ26億個に及ぶ。

これは笑って次に落ち込んだ。音痴の正式な名前は先天的音楽機
能不全。わが夫が永久に治癒することのない病である。

金縛り、これは実は仏教用語で、テレビの心霊番組から広まった
言葉。正式には睡眠麻痺という。

言葉が知られたきっかけが前述の通りであるので、日本人にはあ
る種の心霊現象と考えられている。ちなみに西洋では夢魔(ナイ
トメア)の、アメリカでは宇宙人のしわざとされることが多い。

パンチパーマにはチャンピオンプレスという正式な名前がある。
1970年代に、この髪型を「発明」した福岡県のある理容店店主が、
「これ以上ない髪形だから」と自信を持って命名したのだとか。

伊勢神宮は本来、神宮と、ただそれだけで呼ばれてよい神社なの
である。ほかに比べようがないから、あえて修飾語などつけなく
てよい。ザ・神宮。それが伊勢神宮という場所なのである。

金魚すくいの道具はポイ。レスリングで着用するユニフォームは
シングレット。通称吊りパンとも呼ばれている。食パンの耳は外
皮。ミキサーはブレンダー。その他いろいろ、いろいろ……。


あー、面白かった!!



本日ご紹介の本はこちらから

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2010年11月28日日曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

踏みにじられて、

踏みにじられて、

今、少しだけ強くなった自分がここに在る。


今日も一日味わいつくしましょう。

週刊 お奨め本 第422号『脳天気にもホドがある』

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週刊 お奨め本
2010年11月28日発行 第422号
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『脳天気にもホドがある』 大矢博子
¥1,300+税 東洋経済新報社 2010/11/4発行
ISBN978-4-492-04399-8
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今週のオススメはリハビリ日記です。
愛と涙の闘病記…にはなってないなー。
副題が「燃えドラ夫婦のリハビリ日記」。ドラゴンズファンならよりいっそう楽し
めること請け合いでございます。鉄ちゃんなら更に。


なにしろ「リハビリより鉄道、介護よりドラゴンズ」という夫婦です。
ある日突然、脳卒中で夫が倒れた。「右半身の感覚がない」と言いながら、動けな
くなった。救急車で運ばれる動けなくなっている夫、妻に向かって「読みかけの鉄
道本、持っていって」。
筋金入りの鉄ちゃんでしょう!?


鉄ちゃんなのは夫だけだけど、ドラゴンズファンは夫婦共通。
倒れてから一週間。自分の名前を答えることはできるが、妻の名前や今日の日付な
どは答えられない失語症の症状が起きている。そんなとき、「立浪引退、来期かぎ
り」の新聞記事。
妻、スポーツ新聞を買って病室に駆け込み、夫に見せる。
夫、新聞を見て驚愕。食い入るように一面を見つめる。認識力爆発! さらにカレ
ンダーとテレビを指差して、「ドラゴンズHOTスタジオ」を見よう、と意思表示。
曜日の感覚も戻った。
すごい、ドラゴンズ愛でいきなりコミュニケーション成立である。

※ ドラゴンズHOTスタジオ:東海テレビで土曜午前に放送されていた情報番組。
  東海地方ではそういう番組があったのさ。今秋終了。

脳出血の後遺症の一つに、「把持力の低下」というものがある。聞いたことを覚えて
おけない。そのリハビリに、9枚の絵カードの中から「新聞、りんご、鉄道、玄関」
というように先生が4種類を言う。患者は4つの言葉を覚えておいてカードを選ぶ。
とーこーろーがー。
先生が「電車」と言ったとき。

> 「これ、電化されてない」(101頁)

鉄ちゃん魂…。
その後、カードから「電車」は消えたそうです(爆)。


というように、ドラゴンズ愛、鉄ちゃん魂、パソコンマニア、自転車、等々、多趣
味な夫はいろんなこだわりを持ってます。
そのこだわりがそりゃもういろんなところで発揮されます。
好きなものがいっぱいあるから、広い範囲に知識があって、失語症にもおみごとな
「迂言」で対応します。

こういうの読んでると、好きなものが多いこと、興味の対象が広いこと、いろんな
物事をおもしろがれること、っていうのが大事なんだなーって思います。

ところで、介護や福祉関連グッズにはオシャレじゃないものが多い。
「いかにも福祉」「いかにも介護」で、名に鮮やかな青や赤、ピンクに水色。
モノトーンやアイボリーがほとんどない。
片麻痺で着替えが簡便な衣服を選ぶと、基本ジャージやスウェット。デニム風イー
ジーパンツを探したら股下が短くてつんつるてん。
…年輩者向けには、はっきり見分けがつく鮮やかなカラーが望ましい。衣類もラク
なものは年配者向けで、デザイン性は後回し。
でも、若くして事故などで障碍を持つ人だっているんだし、この本で描かれている
夫だってまだ45歳だ。脳血管障碍は若年化している。
つーか、お年寄りだって今どきはオシャレな人、多いと思うんだけど!
きっと諦めちゃうんだよね。それどころじゃないんだしって。


でも、この夫は諦めない(笑)。
車椅子もケアマネージャーさんがいろいろ「こんなものがありますよ」と紹介して
くれるのだが、「形が嫌」「色が嫌」「デザインが嫌」「なんか嫌」けちょんけちょん。
最終的には自転車メーカーが出してるスポーツタイプの車椅子を見た目優先で機能
度外視で選択。いいのかそれで。いいよねそれで。使う人がそれで気分がよければさ。

妻である著者、大矢博子は、書評家・コラムニスト。
発行人は『本の雑誌』という書評誌で常々拝見してまして、もともと好きだったん
ですよ。ワタシがコージー・ミステリという分野に目覚めたのも大矢博子の紹介か
らだ! というわけなんで、本屋さんでこの本を見て思わず手に取ってしまったの
ですが、名古屋以外でちゃんと売れてるかしら。と、ちょっと心配。
すごくおもしろいから、ぜひ皆さんに読んでほしいなあ。


この本読んで、いったい何回声出して笑ったことか!
すっごくおもしろいです。ほんとうに!



『脳天気にもホドがある』 大矢博子