2011年1月10日月曜日

第344冊 下田治美「愛を乞うひと」

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  乱読! ドクショ突撃隊♪    第 344 冊
              
                       2011.1.10
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【1】読書感想 (第344冊)
  
下田治美  「愛を乞うひと」  角川文庫

幼児期、主人公が母から凄惨な折檻を何度も受ける描写が激しすぎて、
衝撃を持って受け留められた作品。

この作品を読んで考えるに、二つの見方がある。
著者自身の実体験を赤裸々に描いたものなのか、純粋に創作なのかだ。
相当リアルな描写が理不尽なほど続き、その細かい描写は想像力を超え
た迫真性がある。

現実にあった話って意外と「?」となる行動や展開が多く、もっと感動
作品に仕上げる事も出来ただろうに、敢えて突き放したような動きに
なっているのはこのためじゃないだろうか。
本作での結末はどちらにも受け留められるような、母と娘の関係がどう
なったか、否、どうにもならなかったような、幾通りにも想像できる
不思議な結末。

いずれにせよ、強烈な印象が残る力作だと感じた。



下田治美「愛を乞うひと」