著者は以前に「ふざけるな専業主婦」という本を書き、多くの専業主婦から反論をもらったそうです。今回はそれに対する回答。著者はよっぽど専業主婦が嫌いなようで、「専業主婦はダンナに寄生するカチク以下の存在」とばっさり。
その理由は働いていないのに税制上優遇されているのが気にくわないようです。
しかし彼女の言っていることには矛盾があります。「専業主婦を否定しない。働くのがイヤなら働かなくてもいい」と言っているのに、別のところでは、「専業主婦は働けるのにはたらかない怠け者」と批判しています。
「専業主婦は黙っていろ」というなら自分も黙っていればいいのに。
こういう矛盾に気づいていないところが恥ずかしい。
突っ込みどころ満載の一冊。
<発行人より>
著者のお名前の最後の文字は糸へんなのですが、どうしても出すことができませんでした。やり方をご存じの方は教えてください。
2011年2月27日日曜日
こんな本読んだよ!1102270248
週刊 お奨め本 第435号『そして、僕はOEDを読んだ』
2011年2月27日発行 第435号
『そして、僕はOEDを読んだ』 アモン・シェイ
¥1,800+税 三省堂 2010/12/1発行
OED=The Oxford English Dictionary オックスフォード英語辞典
本体20巻、補遺 3巻。
収録語数約29万語、小見出しその他も含めると61万5千語。
古今東西の英語の文献に現れたすべての語彙について、語形とその変化・語源・
文献初出年代・文献上の用例の列挙・厳密な語義区分とその変化に関する最も
包括的な記述を行うことをその特長とする。
完成までに七十年の歳月を要し、今も着々と改定(増補)が進められている。
まあ、辞書ですから。
普通、読む対象ではありません。
しかし世の中、こんなものを読んじゃう人がいるのです。そういう人にとっては
辞書は楽しい読み物であり、OEDの読書は心躍る体験だったというのです。
そしてとても読む気力がなく、最初から読みたいとも思ってもいない一般人に、
実はこんなすてきな単語が載っているんだよ、とおいしいとこだけつまみぐい
させてくれる、本書はそんな本なのです。
著者のアモン・シェイは、単語オタク。
自称、単語のコレクター。
集めてどうするというのではなく(こうやって本にすることはあるけれど)、
ただただ新しい単語を知ることが楽しい。たとえば…
> Acnestis(名詞)動物の肩から腰にかけての部分で、かこうと思っても手が
> 届かないところ
> OEDを読み始めてすぐにこの単語に出会えたことを非常に光栄に思う。名前
> なんて絶対にないと思っていたものを表す単語が実在していたことを知るの
> は、言い知れぬ喜びであり、俄然、辞書を読むという発想自体は、全く道理
> に外れたものではないと思わせてくれた。(19〜20頁)
「かこうと思っても手が届かないところ」という意味の単語があるだろうか、
なんて考えたこともない!
私は英語が実はぜんぜんまったく話せなくて、だからこの本を読んでも読んだ端
から忘れてしまうのだけど、Acnestisという単語は忘れても、「かこうと思って
も手が届かないところ」という意味の単語があるんだぞ、ということは覚えてい
るだろうと思う。そういう単語があることを知ってうれしい、という思いは覚え
ているだろうと思う。
> Desiderium(名詞)以前所有していて現在所有していないものをもう一度所有
> したいと強く思う気持ち
> Onomatomania(名詞)適切な言葉が見つからなくていらいらしている状態
> Pandiculation(名詞)疲れたときや朝起きたときに、「あーっ」と手足を伸ば
> す行為
> Well-woulder(名詞)条件付きで他人の幸せを祈る人
こんな意味の単語があるなんて!
どうですか、嬉しくなってきちゃいませんか!?
アモン・シェイがOEDを読んでどんどんメモをしていったように、私はこの本を
読んで付箋を貼りまくってしまいましたよ。
> ただずっと本を読んで日々を過ごしたい。それが子どもの時からの夢だった。(285頁)
目の前にアモン・シェイがいたら、駆け寄ってハグしたい。
同志よ!
日本にもアモン・シェイがいないだろうか。
日本語のこういうすてきな単語を紹介してくれないだろうか。
きっと私の知らない、存在することを想像したことすらないような単語が、日本
語にもたくさんあるだろうと思うのに〜。
『そして、僕はOEDを読んだ』 アモン・シェイ
双雲からの言霊
自分を愛さないということは、全世界を否定するということ。
どんなことが起きても、どんな理由があっても、
自分への愛だけは死守しなければならない。
今日も一日味わいつくしましょう。