2011年2月1日火曜日

本のご紹介です。活字と自活

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆世間話、時事ネタ系


活字と自活  荻原 魚雷
¥ 1,680  本の雑誌社 (2010/7/13)


著者の荻原さんはフリーライター。1969年三重県に生まれる。

人付き合いは得意じゃない。もちろん営業も苦手。自信がなくて、
若い頃は稼ぐことより倹約にばかり、心を砕いていた。貯金はな
い。

エッセイ集。古本に関すること、仕事に関すること、つれづれに
つづっている。レイアウトが凝っている。二段組みだったり、真
ん中に寄せていたり、ページをめくるたび楽しめる。

この方、古本屋さんを歩くことがとても好きみたい。見つけた本
に寄せる文章が多く集められている。

アメリカのコラムニスト、アンディ・ルーニーの本を読む。「男
の枕草子」。この人のエッセイには、ゆるい安定感がある。大き
く間違えないという安心があるから好きだ。

こんな警句を残している。「一セント貯めるのは時間の無駄」
「もし適度にしっかり働けば、そこまでしっかり働いていない人
が大勢いることに気づくだろう」「紐をためこむな」「うまく行
かなかったら、熱いシャワーを浴びろ」

どうでもいいけど、納得させられることが多い。

あすなひろしの漫画には、昭和の男の顔を見る。彼は「漫画家が
ほれる漫画家」と言われていた。救いのない話を書くのがうまい。

妻子に逃げられた男。他人があてた万馬券を奪って逃げる。その
金で飲んでいるとき、女と知り合い、彼はささやく。「これだけ
あればダンプが買える。俺、まじめに働くよ」

だが女の後ろにはヤクザがいた。ぼこぼこにされて、あり金をと
られてしまう。「……ということか結局」

彼の漫画には大人の男が描かれていた。昭和の時代は、男は早く
大人になりたがった。今はどうだ? オヤジくさいは悪口の類で
ある。大人の男は主役をはれなくなった。……ということか結局。

フリーで生きるということは、つまるところ博打のようなものな
のである。

かつて先輩に「三十歳まで続けられたら、後はどうにかなるよ」
と言われた。三十をこえて、その言葉の重みがわかる。

文章書きなんて、吐いて捨てるほどいるのだ。特別な才能か、ユ
ニークなネタがないと、あっという間に若者に取って代わられて
しまう。若者は安く使えるからだ。

三十歳まで続けられたら。確かにそうだ。二十代であきらめて、
田舎に帰る人も大勢いる。そして三十歳を過ぎると、転進する道
も閉ざされたとわかるのである。

人付き合いがうまければ。スーツを着こなして、営業にまわるこ
とができれば。人生は違っていたかもしれない。

だができないのが自分であり、それとわかって読んでくれる人を
大切にしたいと思う。


レイアウトが多様なので、一冊の本をじーっと読み続けているよ
うな気持ちにはならない、なれない。エッセイでもあるし、好き
なところを好きなように、読んでいけばそれでいいと思う。

ちびりちびり、舐めるように読んでいく本。

何か得しよう、という類の本ではない。しかし楽しい。

活字と自活 荻原 魚雷

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

正しいことなんてない、

答えなんていくつもあると言って

決断をしない自分がいる。

今日も一日味わいつくしましょう。

2011年1月31日月曜日

本のご紹介です。苦役列車

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介


本日は ◆話題の小説系


苦役列車  西村 賢太
¥ 1,260  新潮社 (2011/1/26)


第144回芥川賞受賞作。

北町貫多は19歳。日雇いの仕事で生計を立てている。

自堕落な毎日だった。港の仕事でもらえる日給は5千円余り。一
日働いては、金がなくなるまで仕事を休むというのが、彼の日々
の過ごし方だった。

彼は中学を卒業したときに家を飛び出した。高校へは行きたかっ
たが、成績が足りなかった。努力もしなかった。彼の父親は犯罪
者である。がんばっても無駄だと、頭のどこかで考えていた。

中学校を出たばかりの少年が、働ける場所はほとんどなかった。
ようやく見つけたのが日雇いの仕事だが、これがよくなかった。
日銭を稼いでだらだらと過ごす癖がついてしまったのだ。

しかし、貫多の毎日に変化が訪れる。日下部という青年が、仕事
場にやって来た。彼も19歳で、専門学校の学生だった。

日下部は陽気な男で、たちまち貫多とも仲良くなった。うれし
かった。貫多には友達が一人もいない。久しぶりにできた話相手
に、貫多の心ははずんだ。

執拗に酒に誘うようになる。いつもは一人、安い酒場でちびりち
びりと飲むだけだが、相手がいると酒が楽しい。風俗にも連れ
立って行った。日下部はいやがったが、それはかえって貫多の優
越感を満たすものとなった。

のめりこんでいく貫多だが、二人の間には次第にずれが生じ始め
る。

日下部はまっとうな青年だった。仕事にも熱心で、たちまち難し
い作業を任されるようになった。待遇にも変化が生まれる。

また日下部には、学生としての暮らしがあった。ワンルームマン
ションに住んで、貫多のほかにも友達がいる。彼女もいるのだと
聞いて、貫多はショックを受けた。

貫多は一計を案じる。日下部の彼女に、友人を紹介してもらえな
いだろうか。そうすれば自分にも、まともな恋人ができる。日下
部がいる世界に、入っていけそうな気がする。

彼女と日下部、貫多は野球を見に行った。食事にも行く。酒が
入った貫多は、彼女に対して失礼な言動を取ってしまった。女性
を侮辱するような言葉を吐いてしまったのだ。

貫多はそういう人間だ。人付き合いができず、嫉妬深く、みじめ
で愚かしい。

そのうち仕事もクビになった。社員といさかいを起こし、いられ
なくなったためだ。

何もかもうまくいかない。相変わらずの日々が過ぎるだけだ。貫
多の希望はただ一つ、ある私小説家の作品を読むことだった。


電車で読んでいたのだけど、最後にぐっと、泣きそうになった。
前に座る女子高生が、いぶかしげな顔をしている。

お嬢さんにも読ませてあげたい、と私は思った。でも同時に、あ
んなお嬢さんが、この本を読んで泣くようなことがあっても、そ
れはそれでよくないとも思った。

私が親御さんならば、あの純粋なお嬢さんには、こんな本で泣く
ような人生は送ってほしくないと願うだろう。多分ね。

大人向けの一冊。酸いも甘いも、えっちらおっちら乗り越えてか
ら読もう。

文章が素敵。キレがいい。

苦役列車

No.385 青来有一「てれんぱれん」→ 3点

青来 有一「てれんぱれん」→ 3点

発行元 :株式会社文藝春秋
初版発行:2007/11/10

青来 有一(セイライ ユウイチ)


あらすじ

私の父は被爆者で、本当なら死ぬところを、爆心地でも逞しく自生していた
ニラを食べることによって生き残った。
人を押しのけたり怒ったりすることなく、ひたすらひっそりと生きていた父
には、ちょっと不思議な力があった。

父と同じようにひっそりと隅っこで佇んでいる「てれんぱれんさん」を見る
ことができたのだ。
父とてれんぱれんさん、そして私の不思議な出来事を描いた一冊。

コメント

自分自身が九州出身で、タイトルを見た瞬間に「てれんぱれんしなさんな!」
と昔よく母から怒られた記憶がよみがえってきたので読んでみた。

ある種の失われた世界について実に繊細に描かれた一冊。
魂的に合う・合わないがはっきり分かれるだろうなと思わせる内容で、私は
残念ながら「ちょっと同調できなかったかな」という感じでした。

主人公の「わたし」を含め、登場人物全体にあまり興味が湧かなかった。
ただ、最後までさらっと読めたので、作品が悪いのではなく単純に「合わな
かった」というだけの話しでしょう。

てれんぱれん

了。



0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

俺は目の前のことに100%注げているだろうか。

今日も一日味わいつくしましょう。

第349冊 荻原浩「コールドゲーム」

乱読! ドクショ突撃隊♪    第 349 冊

【1】読書感想 (第349冊)
  
荻原浩  「コールドゲーム」  新潮文庫

ラノベ人気が蔓延して、随分経つ。
西尾維新の本を一冊買ってあるが、未だ読んでいない。
そんなラノベ未経験者なのに、きっとラノベってこんな感じなんだろうな、
と思ってしまう。
流れや表現で映像が連想され、ドラマを観てる感じ。
それでいて、読んでいるとそこそこ面白い。
最近急速に彼の本が本屋で並んでいるのも、致し方ないのか。

主人公は高校野球も終わってしまい、あとは受験に突き進むか、別の道を
選ぶのか。
どうしたもんかなと思っている夏、事件は始まる。
いじめの無かった学校生活を送ったと言う日本人はいるだろうか?
私のクラスも、中学までは事の大小はあったけど、いじめはあった。
高校に入って、いじめそのものがクラスで全く無かった事に、逆に不思議
な違和感があったくらいだ。

いじめた方は軽い気持ちでも、いじめられた方は堪らない。
特に、軽い気持ちでいじめられたなら、余計恨み千倍となる。
本書はこの、いじめられたヤツが復讐鬼となって、かつての中学時代の
クラスメイト(半分以上)が復讐されてゆく。
ありそうでありえない、でも、ありえなくもない。
そんな、いじめが教室にあった人なら誰しも不安になる設定だ。

事が深刻なだけに、演出次第ではいくらでもダークに深く描ける題材だが、
読者対象を学生にしているようで、あまり深刻には向き合わない。
主人公はいじめに加わらず部活一筋だったという設定。
この辺がズルイ設定。
自分だけ関係ありませんでした、僕はイイ人でしたから、という感じ。
しかし、いじめられている人間は、助けてくれなかったヤツ、手を差し
伸べようとさへしなかったヤツにも恨みを抱いている。
その辺は著者も抑えていて、後半は主人公にも魔の手が近づいてくる。

描きようによってはトコトン恐ろしい題材になるけど、読みやすく若者に
「いじめ」を考えさせる本としては、かえって良い本かもしれない。
作品としては、ちょっと軽くて何かが足りないんだが。


コールドゲーム

【朝礼スピーチ】空飛ぶ車

『1日1分!朝礼スピーチネタ』
 No.146 2011/1/30

朝礼をはじめます。

今日は、「空飛ぶ車」について
お話します。

みなさん、空を飛んでみたい
と思ったことはありませんか?

スポーツで、

パラグライダー
スカイダイビング

など、

上から落下する
スポーツは、
いくつかあります。

けれども、近年、
「空飛ぶ車」が開発され、
実際に販売されているそうです。


お値段は1台1700万円
となっています。

購入するかは別として、
1度乗ってみたいと思っています。


もしご興味あれば、
「空飛ぶ車」で検索すると
動画などを見ることができるので、
一度閲覧してみてください。


以上、朝礼を終わります。(246文字)

2011年1月30日日曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

百回の「愛してる」より、

一回の「心をこめた肩たたき」

今日も一日味わいつくしましょう。

週刊 お奨め本 第431号『あなたがパラダイス』

週刊 お奨め本
2011年1月30日発行 第431号

『あなたがパラダイス』 平安寿子
¥640+税 朝日新聞出版(朝日文庫) 2010/9/7発行


今日の本は女性にオススメ。
特に更年期世代。
今、苦しんでいる人。乗り越えた人。近々来そうで脅えている人。

テーマは更年期。
だけじゃなくて、更年期を迎える年代が抱える、たとえば老親介護、たとえば夫
の定年、たとえば思い通りにいかない子育て、などなど。
自分の身体がコントロールできない、その歯がゆさ。
人生はもっとコントロールできない。
次から次と降りかかる難題。

苦しみながら、人生に立ち向かう、女たちを支えてくれるのは、「あなた」。
あなたがいればそこはパラダイス。
人生には、支えてくれる誰かが必要。誰かって「あなた」。
あなたっていうのは…沢田研二。
ジュリー!

独身図書館員・敦子、専業主婦・まどか、バツイチのライター・千里の三人の更
年期ライフと、それぞれのジュリーへの思い。


敦子は小学生以来の熱烈なファン。CDやDVDはコンプリート、ライブはもちろん
芝居の舞台も駆けつけ、ファンサイトにも熱心に書き込む。お給料からジュリー
予算を計上し、ジュリー中心に生活がまわる。
そんな敦子の鬼門は母だ。お嬢様育ちでいつまでもわがままな母に振り回される。
ある日、母に大切なジュリーのアルバムを失くされて、泣きながらファンサイト
に書き込むと、「亡妻の遺品を差し上げます」とメールが。
五十歳にして初めて感じる胸のときめき。
                            「おっとどっこい」

> 「アイドルの追っかけができればいいのにねえ。あれは一生やれます。あれが
> ある限り、元気でいられると私は思うわ」
> 敦子は本気で言った。(84頁)


ついにまどかにも更年期がやってきた。ホットフラッシュとめまい。苛立ち。息
苦しさ。そこに介護がのしかかる。
姑が骨折、父が脳梗塞、舅が心筋梗塞、母が初老期うつ病。
夫の両親は義兄夫婦が頑張ってくれていたが、ある日兄嫁が家出した。韓流の追
っかけを、兄に非難されたからだという。
高校生の頃、まどかは徹夜でチケットを取ってジュリーのコンサートに行った。
結婚してすっかり遠ざかっていた、あの頃の情熱を思い出した。
「誰かに夢中になるって、最高ですよね」
                           「ついに、その日が」

> 更年期は、親の老いやうっとうしさが増すばかりの配偶者や生意気になった子
> 供との確執に立ち向かう年回りでもある。そこから来る山のような用事と苛立
> ちと不安が、更年期の体調不良に加わるのだ。
> みんな、よく生きてられるわよ。女って、えらいと思わない?(106頁)


千里は離婚してから体調を崩した。
医者に調べてもらうと特に異常はないという。精神的なことが原因かと口にした
千里に対し、医者は更年期だと。ありえない! まだ四十三歳なのに!
納得できないまま、知人に紹介されて、「ヘイヘイ・メノポーズの会」に参加す
ることになった。メノポーズとは更年期のこと。
その会のテーマソングがジュリーの『MENOPAUSE』。会員に熱心なファンがいる
のだ。特にジュリーに対して思い入れのなかった千里だが、更年期の症状に向き
合い、自分の人生を見つめなおすにつれ、だんだんジュリーの歌に魅かれていく。
                             「こんなはずでは」

> 「私が出会った更年期で悲観する女性の大半が、情けない自分、哀れな自分に夢
> 中になってる。すごく視野が狭くなってね。自分しか見えないの。それも、ホル
> モンのせいで歪んだ心の鏡に映る、実際以上に可愛そうな、王子様のいないシン
> デレラの姿」
> ムッとした。自己憐憫に溺れているというのか。心外な。(213頁)

三人三様のジュリーへのスタンス。
それぞれが更年期のさまざまな症状を抱え、家族の面倒を抱え、将来に悩み、ジュ
リーの歌に未来に立ち向かう力を得る。

この小説ではジュリーという具体名を挙げて、ジュリーに助けられる女性たちを描
いているけれど、実際のところ、何でもいいわけですよ。情熱を傾けることができ
るものを持っている、ってことが大事。
韓流の追っかけでもいいし、フラダンスを踊ることでも、OK。これらはこの小説中
の例ね。

ああ、最初に女性向けと書いたけれど、男性にも読んでほしいなあ。
配偶者や恋人が更年期真っ最中だという人、あるいはそろそろだという人。パート
ナーを大切にしてあげてください。女は大変なんですよ。
パートナーがもう乗り越えたという人も、あの頃はたいへんだったんだなあ、と思
いを馳せてあげてください。お母さんや会社の上司や先輩や年上の友人が更年期だ
という若い人にも読んでほしい。今んところ縁がないという人にも将来のために読
んどいてほしい。

つまり、みんな読めよ、と(爆)。

> 歳をとるのは、ほんとにつらい。
> でも、この歳まで生きてこなければ、会えなかった人がいる。立ち会えなかった
> 時代の局面がある。だから、若さなんか羨ましくない。
> 若返りを望むなんて、無駄なこと。このまま更年期を過ぎて、彼と一緒に老いる
> 自分でいい。(271頁)


あなたがパラダイス』 平安寿子

2011年1月29日土曜日

第348冊 小田部雄次「華族」

乱読! ドクショ突撃隊♪    第 348 冊

【1】読書感想 (第348冊)
  
小田部雄次  「華族」  中公新書

歴史が好きと言っても色々で、戦国時代が好きだとか、伊達政宗とか
新撰組といった特定の人物とか団体に関心があるとか。
私は家系とか血縁といった、「お家」「血筋」に関心が高い。
これは敬愛する作家南條範夫が重視していた歴史鑑で、「お家」大事が
薄れてしまった現代では忘れがちだが、昔は個人よりも「お家」が重要
だった。どうしてそれほど才能の無い武将が伸し上がれたのか?
ある時期からメキメキと頭角を現したのは、姻戚関係や地縁が働いたので
はないか?
詰まらない見方と思えようが、歴史の裏面を見るには忘れてはならない。

明治の御一新によって武家社会は崩壊し、天皇を中心とした国家・官僚に
よる中央集権国家が産まれた。
江戸期は落ちぶれていた公卿、明治維新で大活躍した脱藩浪人も含めて、
大名や薩長土肥の中心メンバー、果ては高僧や大昔の忠臣(南北朝時代の
遺臣功臣の末裔)まで引っくるんで、華族が創設される。
岩倉具視と伊藤博文が対立しながら華族の骨格が構想されるが、岩倉の死
によって伊藤が押し進める形で公侯伯子男の五爵に分けられた。

最盛期には千家以上も華族が産まれることとなり、こんなものが現代まで
残ってたら飛んでもない問題になっていただろう。
きっと歴代の総理は、華族に入れた入れなかったと大騒ぎだったろう。
春秋の勲章だけでも苦々しいのに、華族は一度成れると相続できる。
華族に相応しい付き合いもしなくちゃいけないから、財力の無い人は爵を
返上したという。もしくは爵位を相続しないとか。
でもそんな人は少数であり、多くはありがたく叙爵したそうだ。
戦前日本なら、現代人では想像できないほど名誉なことだったのだろう。

本書は華族の成立から諸問題、諸事件、そして衰退、敗戦による廃止まで。
たっぷりと書いてあるようでいて、コンパクト。
華族とはなんぞや?という入門にも打ってつけ。



華族―近代日本貴族の虚像と実像

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

非常識が長年、苦難に耐え抜いて常識になるんだ。

耐え抜く覚悟はできている。

2011年1月28日金曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

サラリーマンという枠に、はまらないサラリーマンがいる。

芸術家というイメージに、とらわれる芸術家がいる。


どうやら「自由」に、職業や環境は関係ないようだ。

今日も一日味わいつくしましょう。

本のご紹介です。世迷いごと

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆芸能、エンタメ系


世迷いごと  マツコ・デラックス
¥ 1,260  双葉社 (2010/10/13)


アマゾンのレビュー見て爆笑した。悪いレビューのほとんどが、
「マツコはこんなもんじゃない!」と主張している。この程度の
エッセイじゃ、マツコの真価は問えぬと声高に叫んでいる。

みんな、マツコさんが好きなのね。

テレビに出る女性有名人を槍玉に挙げた毒舌エッセイ。マツコさ
んの語りを編集したものだそうだ。

確かに、コタツでぐだぐだしゃべっているだけのような本では
あった。こちらも負けず、だらしない格好で猫でもいじくりなが
ら、気楽に読むのが吉というところだろう。構えず、楽しく。

以下、皆さん敬称略でご紹介させていただきます。ファンの方、
ご理解よろしくお願いしますよ。

・広末涼子 孤高に生きる凄いタマのオンナ

この人は「長い目で見なきゃ」って思ってたの。出てきた頃は日
本のロリコン市場に合致するオンナだったわけよね。

でも奇行が報道されたり離婚をしたり、バッシングの嵐にもさら
されたわけよね。それで彼女は一回り大きくなったのよ。

アタシ(マツコさんご本人のこと)の勝手な決めつけなんだけど、
女優や歌手として大成しようと思ったら、結婚なんかしちゃだめ。
家庭の安らぎなんか得ちゃだめなのよ。女優は生き様を見せつけ
るのが仕事なの。

広末は、最初吉永小百合みたいになると思ってた。でも今は、大
竹しのぶに似てると思うわ。狂気をはらんだ役ができると思う。

・川島なお美 脳細胞が健やかなオンナ

アタシ昔は、川島なお美を「生き恥をさらして、哀れなオンナ」
だと思ってたのよ。「私の血にはワインが流れている」なんて聞
いたときには、世間の皆と同じようにアレレと思った。

でもこの人、いつの間にかキャラを定着させてしまったわね。ワ
インのイベントには必ず呼ばれている。

この人は、世間にどう思われようと気にしないのよ。馬鹿にされ
てる? なんて、考えることがない。脳細胞が健やかなのね。自
分に興味のあることを純粋に楽しんでいる。

この人を理解するのに10年かかったわ。世間の反応に対する鈍さ、
でもそのおかげで、ハスにかまえず楽しそうに生きている。すご
いわ。

・沢尻エリカ

ファンに握手をせがまれたとして。長澤まさみだったら「キモイ」
と思いながらも笑顔で握手してくれるよね。でもエリカだったら、
「薄気味悪い奴はきらいだ」ってはっきり言うと思う。

相手をちゃんと人間として見てるのはどっちだろうね。

この人は、女優とは何であるかがよくわかっている。生意気言っ
て、変な男と結婚して、生き様を見せるのが女優の人生。あふれ
出すものがない人は、魅力的とは言えないの。

ただ、離婚が少々早すぎたわね。薄っぺらい男と結婚して、面白
くなったところだったのに、目が覚めるのは早すぎだと思うわ。
もう少しショッパイ思いをしてほしかった。

とはいえ、今後も見守りたいところ。この人には、無人島に取り
残されても、オオトカゲを食って生きのびそうな強さがある。楽
しみだわ。


藤原紀香のことを「芦屋のマダムくらいでおさまっておけばよ
かったのに」と評していたのには笑った。そこそこ美人で、ボラ
ンティアにも熱心で、ぴったりだと思うもん。(あ、私、紀香さ
んファンです)

エビちゃんモエちゃん、寺島しのぶ、高岡早紀、叶姉妹、女子ア
ナ、滝川クリステル、小谷真生子、など。

下ネタというか、その手の単語も多いです。やっぱこの人、視線
が男なんだなあって思う。だから怖いね。

ワイドショー好きな方に。

世迷いごと

2011年1月27日木曜日

本のご紹介です。きことわ

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆話題の小説系


きことわ  朝吹 真理子
¥ 1,260  新潮社 (2011/1/26)


第144回芥川賞受賞作。

貴子(きこ)と永遠子(とわこ)、七つ違いの幼馴染が、別荘の
後片付けをしましたよ〜、おしまい。


って感じだったけど、それだけで終わるのもさみしいよな。ぼち
ぼち筋らしいところを、がんばって書いてみようかな。

葉山のお話。永遠子の母は別荘の管理人をしている。その縁で、
永遠子は貴子と仲良くなった。

別荘は貴子の両親の所有である。貴子の父は外科医で、忙しくて
別荘にはあまり来られない。訪れるのは母の春子と義理の弟の和
雄、貴子の三人だけだ。

永遠子は幼くて知らなかったが、彼女が別荘を訪れるとき、春子
は交通費を支払っていた。七つ年少の貴子が、永遠子になつき、
そばにいたがったからだ。

だがその交流も、春子の死とともに途絶える。春子は心臓が弱
かった。

現在永遠子は40歳、結婚して子供がある。貴子は33歳、不倫の恋
に破れて父と二人暮らしである。その二人が、手放すことになっ
た別荘の片づけをする場面が描かれている。

過去と現在が行き交う。子供の頃遊んだ海の話、食事をした蕎麦
屋の話。歩いた道に道路反射鏡があったかしら、なかったかしら
と、二人は過去の思い出を語り合う。

永遠子はあるとき、母が父のほかに恋人を持っていたことを知ら
された。別荘の仕事は、外に出てゆくための理由だったのだと思
い至る。

貴子にも母の思い出がある。母春子は、心臓病を患っていたのに
タバコをやめられなかった。父は黙認していたようだ。

和雄は貴子の父を責めた。医者なのになぜ。別荘の片付けをしな
がら、封を切っていないタバコがワンカートン出てきて、和雄の
前では吸えなかったのだなと、貴子は母を思いやる。

片付けは一日では終わらず、貴子は別荘に泊まることにした。そ
の夜、かつての若い姿で別荘を歩く春子の姿を、貴子は目にした。

母は病に冒されていた。幼い貴子はいつも死におびやかされてい
た。母が亡くなったとき、ようやくその恐怖から解放された気に
なった。死者を縛り付けるものは生者なのかもしれない。

永遠子は一人家に戻った。帰り道、晩御飯の材料を買って踏み切
りにさしかかる。ぼんやり、電車が来たことに気づかなかった永
遠子だが、誰かに髪の毛を引っ張られて難を逃れる。

不思議だ。永遠子は子供を産んでから、ずっとショートカットな
のに。

翌朝業者の手を借りて片付けを終え、二人は弁当を広げた。永遠
子が作ってきたものだ。野菜の甘酢漬けがうまい。

そう言えば、父が蓮根を大量に買ってきていたなと貴子は思う。
甘酢漬けのレシピを聞いて、父のいる家に戻ってゆく。


文章は流れるようにきれい、冗長ではない。美しい環境ビデオを
見てるみたいだった。

それだけっつー感じもするけど、まああれや、偉い人にはきっと
わかるんやろな、そのよさが。こういう本は偉い人向き。

私にはちょっとよう、わからんかった。アホやもん、しょうがな
いな。

きことわ  朝吹 真理子

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

迷ったら、

よりかっこいいと思える方を選ぶ。

そしてかっこいいと思える心構えで臨む。


今日も一日味わいつくしましょう。

2011年1月26日水曜日

本のご紹介です。日本人でも知らない!?外国人の大疑問

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介


本日は ◆世間話、時事ネタ系


日本人でも知らない!?外国人の大疑問  高橋 陽子
¥ 1,000  アルク (2010/8/31)


語学学習の、アルクのホームページなどに掲載されていたもの。
コミックエッセイ。外国人留学生が、日本について、疑問に思っ
ていることをまとめた。

著者の高橋さんがよく利用される喫茶店に、留学生の方が多いの
だそうだ。ものすごい、日本人でも難しい質問をぶつけられて、
高橋さんもたじたじ。

「アルバイト先の店長がもうすぐフルマラソンに挑戦します。
励ましたいので『がんばって』の尊敬語を教えてください」

これには、友人の編集者が答える。

「頑張るとは、我意を張り通すのことで、尊敬語はありません。
お励みください、というのが妥当でしょう。

ですが、目上の人にはちょっと失礼なので『よい結果をお祈りし
ております』とするといいのでは」

また、文化の違いを感じさせられることもある。

「日本には、どうして『今、もっと会いたい』という気持ちを表
す言葉がないのですか?」

韓国では、恋人と会っているその瞬間にも、もっともっと会いた
い(意味がわからんな)という熱烈な愛情表現があるのだそうだ。
見つめ合って、もっともっと!!という強い意味の言葉。

これには他国の人も賛同し、不思議がる。

「香港には、ものすごくものすごく会いたくて、会えたらすぐハ
グしたい!という言葉がありますが、日本にはありませんね。
すぐ会いたい、だけでは少し寂しいです」

「日本語には、恋愛に使う言葉が少ないですね。中国では『僕た
ちの出会いは運命で決まっていたのだね』というようなことを、
日常的に言っていますよ」

ちなみに韓国の男性は、おやすみの代わりに「俺の夢を見ろよ」
と言うのだそうです。皆さん、熱いのね。

面白かったのは漢字に関するエピソード。

留学生の皆さんにとって、漢字の勉強は大変難しいものであるら
しい。いろいろな工夫をしておいでだ。

「案」という字。女の人が木の上に立って道を示してくれる、と
覚える。「殴」という字の右側は、手が悪いことをする、という
意味があるのだそうだ。

だから「殺」にも使われている。ちなみに左側は木に縛るという
意味合い。何気なく読んでる漢字でも、こうやって見るといろい
ろと成り立ちがわかるものだね。

ある女の子は、看板に書かれている明朝体の文字が読めなくて
困っているそうだ。活字は読める。だが看板などの文字は飾り文
字に見えるらしい。私たちが、アルファベットの花文字を見づら
いと思う感覚みたいだ。


日本の居酒屋ではなぜお通しが出てくるのか。日本人はなぜ本に
カバーをするのか。お花見はなぜ大騒ぎなのか。お茶会のマナー
は?

改めて問われてみると、どう答えていいか迷っちゃうことが多い
よね。

漫画だからさらっと読める。そして楽しい。視点を変えて見るこ
とで、普段の暮らしが新鮮なものに感じられる、ような気がする。

タイから来たトライポップさんは、漢字の冬という字がお気に入
りなのだそうだ。理由はその形が、軽やかに踊る女の子に見える
から。すげえな。

だけどそう考えると、この寒い「冬」も素敵だと思えるよね。

本日ご紹介の本はこちらから↓
日本人でも知らない!?外国人の大疑問―日本語・異文化のギャップで笑えるコミックエッセイ

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

努力は愉しむもんだ。

苦しむもんじゃないと思う。

今日も一日味わいつくしましょう。

2011年1月25日火曜日

双雲からの言霊

■今日の武田双雲からの言霊

豊かな家庭と人生を作るのは、

仕事やお金よりも、

安定した上機嫌。

今日も一日味わいつくしましょう。

本のご紹介です。宝くじ(超)当せんデータ

これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介



本日は ◆世間話、時事ネタ系


宝くじ(超)当せんデータ「当たる人のルール」がわかった  
女性セブン編集部  ¥ 1,155  小学館 (2010/11/2)


とはいえ、私自身は宝くじはあまり買わないのよ。買うとしても、
お付き合いで十枚程度がせいぜいかな。なんせ、当たる自信がど
こを探しても見つからないのよ。

この本は、女性セブンが取材した、高額当選者に共通する点を集
め、まとめたもの。自己啓発の本に書かれているような事柄が多
い。

しかし高額当選となると、読みすすめる目も変わっちゃうよね。
少しご紹介してみます。いいことばかり、まねしてみても損はな
いことばかり。

・お金持ちのまねをする。

生活、意識から変える。しかし派手な暮らしをすればよいという
ものではない。本当のお金持ちは質素で、上手なお金の使い方を
している。

お金持ちの家はシンプルだ。実は、お金に困っている人のほうが、
ごちゃごちゃした家に住んでいるのだそうだ。安さだけで買い物
をしない。必要なものを見極めよう。

・近所の神社にお参りに行く。

氏神さまを決めたら、折に触れてお参りを。このとき「当選させ
てください」だとか、「出世をひとつ、お願いします」なんて祈
り方はしないように。

近況報告をして、これまで無事に生きてきたことを神様に感謝し
よう。そのほうが、結果的にうまくいくものだ。

・トイレ掃除。

お金持ちの家はトイレがきれい。習慣づけてしまえば楽だ。朝の
歯磨き、洗顔の流れでトイレも掃除してしまおう。

気をつけたいのがトイレのふた。これは必ず閉めること。底の水
から悪い気が発生するから。

・窓、カーテン、台所はきれいに。

基本的に、家は清潔がよい。玄関も、運気の入り口なのでこまめ
に掃除をしよう。窓は外のエネルギーを取り込む場である。カー
テンはきれいに、ガラスもぴかぴかにしよう。

・朝日を浴びる

様々な占いでも、太陽は力を持つものと定義されている。医学的
にも、日光は人間によい影響を及ぼすことが証明されている。セ
ロトニンの分泌が活発化するからだ。

よく眠り、姿勢をよくし、太陽の光を浴びて日々の活動に励む。
活力のある暮らしに運が引き寄せられる。


冒頭に、実際に宝くじを当てた人のレポートがある。中から一人、
80歳になる男性の話をここでご紹介してみる。

兄が戦争で亡くなり、12歳年上の兄嫁と結婚することになった男
性。

彼には気がかりがあった。兄の遺言である。兄は一言「近所の神
社を建て直してほしい」と言って戦地に旅立って行った。

平成になって、生活が落ち着いた頃に宝くじを買い始めた。妻も
賛成してくれた。毎年十万円ずつ、金額を決めて買うことにした。

平成20年に妻が亡くなった。その年の夏、3億円当選。妻と兄が
見守ってくれたおかげだと思う。神社を修復し、7千万以上を寄付
した。次当たっても、世のため人のため、使いたいと思う。


こういう人が当選するんだなあ。ええ話や。


宝くじ(超)当せんデータ「当たる人のルール」がわかった

2011年1月24日月曜日

No.384 椎名誠「チベットのラッパ犬」→ 3.5点

椎名 誠「チベットのラッパ犬」→ 3.5点

発行元 :株式会社文藝春秋 初版発行:2010/8/30
椎名 誠(シイナ マコト)

あらすじ

最終戦争後の混沌とした世界。
工作員としてチベットに潜入したおれは幸運もあって首尾よく目当ての
品を手に入れることができた。
・・と思ったのもつかの間、ブツは生体偽装した誰かにブツをかっさら
われてしまった。
このままでは帰れないおれは、奴を探して追跡を始めることにしたのだった。

コメント

「最終戦争後」の近未来を描くシーナワールド最新作。
『武装島田倉庫」から始まった本シリーズも、気がつけば結構な冊数になった
よなあ。
一見荒唐無稽なようでよくよく考えると妙にリアリティのある世界観と、全編
に漂う「もうどうだっていいやあ。」という渺漠とした哀しみのようなものは
本編でもしっかりと健在で実によかった。

読むというよりはひとつの世界を旅するという方が相応しい一冊。
滔々と、終わることなく流れる長い長い川をゆっくりと下っていくような魅力
と安心感があった。
読み手によると思うが、個人的にはシーナ氏の描くこの世界はかなり好きだ。


チベットのラッパ犬

了。



0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。

※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。