本日は ◆世間話、時事ネタ系
シンプルライフ 森理世
¥ 1,470 幻冬舎 (2010/4/17)
ミスユニバースに選ばれた森理世さん。美しさの秘訣、これまで
の人生、ミスユニバースの仕事についてが語られている。
美しさについて。
とにかく世界一なのだから、ものすごいことをしているのかと
思ったが、そういうわけでもないのが驚きだった。
基礎化粧品は花王のキュレル。高校生の頃からほかに変えたこと
がない。適当なお値段で、たっぷり使えるのが好き。
食べ物も好きなものを食べる。体が欲すると思うから、甘いもの
も特に遠ざけることはない。ただ、食べる前には水を飲むように
している。朝起きたときも、胃を動かすために水。
しかしこれにもこだわりはなくて、実家(静岡)にいるときは、
水道水でも平気で飲んでいる。
この方のご実家は、ダンススクールを経営なさっているようだ。
理世さんも講師として活躍している。もともとおとなしく、人前
に出るのが苦手だったそうだが、克服したのは留学中のことであ
るようだ。
静岡で、海外のダンスチームの公演があった。理世さんはそれを
見て、将来あんなチームで踊りたいと考えたそうだ。では、留学。
目標が決まった。
理世さんは、ご自分でご自分を「おとなしい、恥ずかしがりや」
と書かれているけど、そうかな、と読み手としては思う。
目標を定めた後の行動力がすごい。高校生、留学当初は一年で戻
るはずだった。だがバレエスクールへの入学を決意し、周りを説
得して、留学先の学校へ転校してしまう。
高校の授業と、バレエスクールと、実にハードな日々を過ごした。
泣いてばかりだった。そうも、この本には書かれてあるが、決し
て弱虫というわけではないのだと思う。
ミスユニバースへの挑戦を決めたのは、幼い頃から聞かされてい
た、祖母の言葉に影響されたから。祖母はよく「二十歳になった
らミスコンテストに出てほしいな」と言っていた。
もちろん、世界大会を意味していたのではないとわかっている。
だが、挑戦するならやはり一番がよかった。
書類審査が通ったとき、理世さんはニューヨークのダンススクー
ルの入学直前だった。キャンセルの手続きを一人でして、いざ、
コンテストへ。
見事日本代表となり、世界大会へ出場したが、これも大変なこと
だった。
審査は実に一ヶ月に渡る。集団生活をしながら、詳しくその人柄
を見られるのだ。また、その間はインタビューなどのスケジュー
ルが過密に組まれてあり、仕事に耐えられるかどうか試される。
大会当日には祖母が応援にかけつけてくれた。優勝が決まったと
き、祖母はとても喜んでくれた。そのとき交わした言葉が、祖母
との最後の会話になった。
ミスユニバースの仕事は、8割がチャリティーなんだって。とき
にはジャングルで、ホテルもないようなところで過ごすことも。
美しいだけではないんだなあ。タフで賢くて、優しくなければな
らない。なかなかできることじゃないよ。
ある国などは、ミスユニバースに選ばれると、一生涯の生活を国
が保証してくれるらしい。そんな事情も知ることができて、面白
い本だった。