2010年12月9日木曜日

本のご紹介です。集団感染マーケティング

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これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介

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本日は ◆ビジネス、営業系

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1通のちょっと変わった手紙で、新規客が殺到する! 集団感染
マーケティング  杉村 晶孝
¥ 1,575  ダイヤモンド社 (2010/10/29)

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ピンクの背景に黄色の放射線。いや、派手やわあ、この表紙。

セールスの手法を書いた本。くり返されるのは「金を使うな、知
恵使え」という主張である。

お金を使ったマーケティングの愚、お金をかけず行った工夫とそ
の効果。様々な例が示されている。お金をかければかけるほど、
モノは売れなくなるというテーマが非常に面白い。

お金をかけた例

・雑誌にお金を出して紹介記事を出してもらった。広告を記事に
見せかけて書くという手法だ。以後、会社に電話がかかってくる
ようになったが、どれも広告の売込みばかり。需要がある、カモ
と思われたせいだ。

・コンサルタントにすがる経営者が多い。セミナーに出かけ、暗
示をかけられたように意気揚々とするが、すぐにしぼんで類似の
セミナーに出かける羽目になる。

・コンサルタントの指導を受けてFAXでDMを流した。結果、か
かってきた電話は苦情ばかりだった。

お金をかけない例

・流行している言葉を広告に取り入れる。その言葉は流行歌から
抜き出すとよい。「一人じゃない」「同じ空の下」「会いたい」
など、同じような言葉を羅列した歌詞に注目し、コピーに使おう。

人は聞きなれた言葉、刷り込まれた言葉に反応する。テレビが流
行させた言葉は遠慮なく使いたい。話題の商品、ベストセラーに
共通するタイトルなども、同じく使うべき言葉である。

・人は権威に弱い。だがその権威とは何か、冷静に考えてみよう。

権威は作られるものである。であれば、自らその権威になってし
まえばことは簡単。「カリスマ」「先生」「職人」「巨匠」「鉄
人」。人からそう呼ばれる工夫をしてみよう。

自分では当たり前と思っていることも、ほかの人はまるで知らな
いということがある。たとえば魚屋さん。新鮮な魚の身分け方、
おいしい料理法。こんなことくらい、と思っていることを教えて
あげると、案外と人は驚く。「カリスマ」になるのも簡単なので
ある。

・個人ではなく、集団を釣り上げる手法がある。個人が属する集
団を狙う方法だ。

棚ボタ式に客が見つかる集団がある。職人気質が強い職場、上下
関係がはっきりしている職場、小規模の職場、タバコ部屋や休憩
所がある職場。

こういう場所で客を見つけると、その客が味方になってくれるこ
とがある。

このような場所に告知をする方法を教えよう。それは、その会社
のポストにチラシを入れておくことだ。

その際、封筒の表に「○○事務所ご担当者様」と宛先人を書き、
さらに「回覧」という判子を押しておくこと。すると担当者だと
自認する人が現れ、チラシを掲示板に張ったり、回覧で回してく
れるようになる。

社内で掲示されるもの、回覧されるものは信用しやすい。受注に
結びつきやすくなる。


実に泥臭く、気合を感じる一冊だった。読みやすい。

うちの近所に、行列ができるパン屋さんというのがあるんだ。天
使のチョコリングなんてものを売り出しているお店だ。

確かにおいしいけど、といって、それがほかの店にない特別なも
のかと言えばそうでもないと私は思う。でもその名前と行列、か
わいいお店の外観で、みんなその店でパンを買うことを「特別」
なことと考えている節がある。

その社長さんは、考えの90パーセントが商品のこと、ヒット商品
の構想なのだそうだ。日夜人々を引きつける手法を考えていると
いうことらしい。

知恵に勝る宝なし。すばらしいね。

1通のちょっと変わった手紙で、新規客が殺到する! 集団感染マーケティング

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