発行元 :株式会社新潮社
初版発行:2009/11/20
小田 雅久仁(オダ マサクニ)
あらすじ
この世は大多数の増大派と、ほんの僅かな減少派によって成り立っている。
減少派である俺は、増大派の奴らから逃れるため、日々流浪の生活を送ら
なければならないのだ。
・・減少派として、ほとんど唯一の生き残りである大熊健太郎は、犬のア
ルバートと共にさすらいの生活を送っていたが、ある日いよいよ最終目的
地である巨大団地に辿り着いた。
健太郎の、長い旅の終わりを描く。
第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。
コメント
インパクトのあるタイトルに惹かれて読み始めたが、実に難解な作品だった。
正直に言って、最初から最後まで意味が分からんかった。
作品の重要キーワードである「増大派」「減少派」が、エントロピーに由来
するということは分かったが、作者の小田氏が何の象徴としてエントロピー
に着目したのかということ自体が、最後まで読んでも結局分からない。
う〜ん、これは一体何なんだろなあ。
俺の理解力というか、感受性がダメなんかなあ・・、という感じで悩みなが
ら読了した一冊。
文中には様々なジャンルのいわゆるダメ人間というか問題あり!な人物がわ
んさかと登場し、それぞれ内面的には色々な理由から葛藤があったりなかっ
たりするのだが、この内面的な悩みが異端というかあまりに特殊すぎてまっ
たく感情移入ができなかった。
本作はコンクールで大賞を取って評価されているので、分かるヒトが読めば
「これはすごい!」という作品なんだろうと思う。(きっと)
カフカ的世界が好きな方には堪らないかも知れません。
0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。
※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。