これであなたも読書通!話題の本をほぼ日刊でご紹介
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こんにちは!活字中毒のモモちゃんです。
ツレがレストランで皿洗いのバイトをしていたと言った。
で、皿洗いが得意かといえばそうでもないらしい。洗浄機に
つっこんで一瞬だったから、家では面倒で皿洗いなんか絶対
にしないのだそうだ。
ときどきは調理にも携わっていたという。しかしビニールパッ
クを温めて封を切るだけなので、実際の味付けはさっぱりわ
からないと自慢していた。
ま、そんなもんだろうな。
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本日は ◆話題の小説系
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秘密の本 新版ホワンの物語 ロバート・J・ペトロ
¥ 1,680 飛鳥新社 (2009/12/4)
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寓話的自己啓発書。ストーリーは波乱万丈で、最後まで楽しく読
むことができた。メキシコが舞台である。鉄道が敷かれる前の時
代の物語。
両親に先立たれ、天涯孤独の身となった少年ホワン。意地悪な農
園主に住まいを追われ、一頭のロバを伴って首都メキシコシティ
を目指した。
旅の途中でエクトルという親切な老人に出会う。彼は大変なお金
持ちで、以後ホワンを導くメンターの役割を担う。このときエク
トルは、チャンスはどこにでも転がっているのだと、若いホワン
を励ました。
ホワンはエクトルの知り合いを尋ね、ロバを買い上げてもらうこ
ととなった。寂しかったが、ロバを養う余裕はないのだ。
シティには職がなかった。苦労の末、ホワンはペドロという男が
経営するレストランで皿洗いの仕事をするようになる。
ここで彼はフアニータという女性と知り合った。ホワンは彼女の
家に間借りをすることになり、彼女の家族と親しくなる。
ホワンはロバの売買を始めた。ロバを見る目は父親に叩き込まれ
ていた。レストランの仕事も懸命にこなしながら、ホワンはロバ
の商いを少しずつ大きく育てていく。
この間にホワンはエクトルを訪ね、何度もその教えを乞うことに
なる。エクトルは語る。
「前向きの生き方をする。ゴールを定め、必要に応じて創造的に、
かつ柔軟に対応する」
「人に対して心を開く。会う人すべてを疑ったり、防衛的になら
ない。世の中には不正直な人よりも正直な人の方が多い」
「他人の困難や窮地につけこんではならない」
「商品においては成功をすることもあれば、失敗をすることもあ
る。その可能性は五分五分だということを忘れるな」
「富を他の人が豊かになるためのチャンスを与えるような使い方
をしよう。ただ与えるだけでは、なんの助けにもならない。自分
で食べ物を得る方法を教えてあげれば、もう飢えずにすむだろう」
「手を差し伸べて人を助けることは最善の人生哲学である。金銭
的に得るものはないとしても、精神的な見返りは非常に大きい」
ホワンはエクトルの助言を受けて、レストランをやめ、銀細工の
商売にも手を広げ、ロバの商いでは米軍を相手に大きな取引をま
とめることができた。
かつて自分を追い出した農園主からリンゴ園を買い取り、貧しい
農民に自立を教えることもした。
途中、ライバルに陥れられ、警察につかまることもあったが、彼
がした善意によって彼自身が救われるという経験を得た。
やがてホワンはマリアという美しい女性とめぐり合う……。
私個人としては、舞台がメキシコというだけで三割、や、四割増、
高得点で楽しめた物語でした。
警察が非常に恣意的に動いたり、町中は失業者でいっぱいだった
り、その辺りも妙にリアルで面白かった。
若い頃に読んでおきたい本だなあ。素直に楽しんで、人生に前向
きになれる一冊。